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第1部 (15)(16)
(15)
〈汝〉との関係は直接的である。〈我〉と〈汝〉との間にはいかなる概念性も、予期も、空想も成り立たない。記憶さえも、個別的なものから全体的なものに転ずるときには変容してしまう。〈我〉と〈汝〉との間にはいかなる目的も、強欲も、先取りも成り立たない。〈我〉と〈汝〉との間にはいかなる目的も、強欲も、先取りも成り立たない。憧れさえも、夢から現実に転ずるときには変容してしまう。全て手段は障害である。全ての手段が瓦解するところにのみ出会いが起こるのである。
(16)
関係の直接性の前では、間接的なものは全て些細である。私の〈汝〉がもう一方の〈我〉に対してすでに〈其〉(一般的経験の対象)であるか、あるいは初めて――私の本質行為の影響を通じてやっと――〈其〉になり得るかどうかも些細である。何故なら本来の境界は、むろん浮動し揺れ動いているものだが、経験と非経験との間にも、所与と非所与との間にも、存在世界と価値世界との間のほうにも通じるのではなく、すべての域を横に貫いて〈汝〉と〈其〉との間、すなわち現存と対象との間に通じるのである。




