EXP.95 雷刃と閃光 その5
【可夢偉 視点】南側
無数の閃光が雨の様に流れる中をただ走り、斬る。
分岐した道は少しずつ減っていき一本のみとなる。
そして傷ついた化け物の不敵な微笑い、
「怪物……今回はその戦術に免じて奥の手を見せてやるよ」
奥の手、まだ何か隠してたのかよ!?
避けようにも閃光が網かごの様に直線上にしか退路はない、つまり逃げ場は既に奪われている。
「嫌でも受けるしかねえな!」
「閃光弾+爆裂弾」
右手に小星型十二面体、左手に赤い螺旋で出来た球体……二つが組み合わさり大十二面体へと構築される。
「貫通爆裂弾……流星一閃!」
あまりの光に周りの閃光が乏しく見えるほどに光を、炎を、盛大に放つ。しかし、形とは反し閃光の様に速く進む。
正しくそれは『流星』の二文字だった……。
…
【くるた視点】南側
閃光の渦のおかげでクアネル君の考えを読み取り目が無を連れて射線上を抜け出す。
『剣風』
初級刀スキル【剣風】
刀から風を放出し物体を弾く。
距離を取ろうとしたその時、鼓膜を破るかの様な爆発音。
光を放つ巨大な火球と大振りの一太刀がぶつかり合い、力が荒れ狂う様は正しく台風の目である。
物も何もかもが大渦に吹き飛ばされ、空気すら揺るがす程のエネルギーのぶつかり合い。
そんな中、一つの声が聞こえる。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
その咆哮にも聞き取れる様な叫びに応えるかの様に風は強さを増していき、光源が揺らぎ軌道が逸れる。
僕と目が無のいる方向に……。
防壁の重ねがけでも防げそうに無いな、このままでは二人でLOSTだ。
目が無だけでも逃がそうと振り向くと、自分の身体が既に押し飛ばされていることに気付く。
「おれの仇取ってくださいねっ」
『目が無 HP全損 LOST』
こうして僕の後輩は焼き飛んでしまった……。
…
【可夢偉 視点】南側
まさか剣風で逸らせるとは……。
自分でやっておいて驚いていると機械音声が聞こえてくる。
今ので化け物の方がカウントが増えた……って事はこのままだとオレの負け? だがクアネル狙いでこのまま行くと時間切れが目に見える…………ならば、
くるたを討つ。
刀を構え左足を引く。
「くらえ『残弧』!」
初級刀スキル【残弧】
剣先から弧を描く斬撃を飛ばす。斬撃は一定時間その場に停滞する。
鞭の様に弧を唸らせ時間を稼ぐ。
「防壁」
クアネルは防壁を二つ展開し防御に回る。
この隙に振り返り、くるたの方向に駆けた。
今年もお付き合い下さりありがとうございます。
こんな作品を見てくださってありがとうございます。
もうラストスパートが近づいてきましたが、来年もお付き合い頂けるとありがたいです。
それでは皆様、良いお年を!
……もう一話ありますからね?
ご意見ご感想お待ちしております。




