EXP.94 銀髪伝説 その8
【アルトニア視点】北側
当然だがOSを奴が使えるわけがない。
リクヤさんに無理やり討伐軍の遠征に連れて行かれて知っている、あのモンスター相手に初心者が瞬殺されない訳がない。
それ以前にサーバー内に同じOSは存在しない。
何かトリックがあるはずだ、落ち着け、集中しろ、周りに気を配れ。
目を開き周囲を見回す、すると少年が後方に跳び消える。
その瞬間、一瞬視界に映る何かの円。
それは先程まで眼にしていた為即座に飛翔だと気付き、空論を立て実行に移す。
相手のいなくなった前方に直走る。
そして少年の消えたであろう地点に到達しようとした瞬間、何かにぶつかる感覚が全身へ伝わる。
と認識していると、地面に肩から叩きつけられる。
即座に視界の物を把握する。
まず自分のHPバーが減るのと少年の後ろ姿が表示される。
振り返る前に斬ろうと双刃刀を振り上げるも、ノールックで躱される。
「どうやって気付いたんですか……?」
「偶々だ、俺の仮説では……お前は俺が悩んでる間に仕留めようと思っていたんだろうが……残念だったな」
「戦闘中に良く喋りますね、飛翔」
少年は左手の片刃刀をこちらに向けて飛ばし、特攻という何度目かの作戦を実行する。
右手の剣で投げられた刃を叩き落とし左手の盾を正面に構え、ぶつかる直前に少し身体を浮かせ吹き飛ばされる。
透明な壁に触れる、すると今度は相手の右斜め前に到着する。
ただ下がっている様に見せて飛翔で方向転換していたのか、その上距離を詰める際にも使われている事がわかる。
予想以上に良く考えられた戦術だ……。
空かさず駆けてくる少年、を確認してから口を開く。
「鉄壁」
キーワードと共に足元から白いラインが伸びダムを連想させる巨大な壁が前方に出現する。
その壁に盾をぶつけ押し込む。
「加速発射っ!」
この壁と見えない檻に挟まれてLOSTしてくれれば最高だが、それでやられはしないだろう。
飛び出てきた所を加速発射で討つ。
そして壁の向こうから何かが飛ぶ、双刃刀を構え気付く。
タルワール!?
その視線を外した瞬間に少年は壁から抜け出し直線上に現れる。
『特攻』
この距離なら俺の勝ちだ!
「加速発射ッッッ!」
標準の合わされた双刃刀は放たれた。
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