EXP.90 銀髪伝説 その5
【アルトニア視点】北側
なんなんだ!?
首を獲ったと思えば……いつの間にか握られていた片刃刀で防がれており、距離を取ったら相手のHPが徐々に減っていく。
「予想はしてたけど今ので無理なのはキツイな……」
確かに判断が遅れて加速発射を使っていなければ俺はやられていただろう。
「行きます!」
両手に片刃刀を握り微笑を浮かべる銀髪の少年に、俺は盾を形成しながら笑い返す事しか出来なかった。
…
【楓月 視点】
「アレって楓月さんのじゃありませんでしたっけ?」
隣から幻夢が小声で尋ねてくる。
「お、気付いた? 幻夢は本当に俺の事よく見てるな」
「た、たくさん稽古とかつけてもらってますから……」
「そうだったけか……?」
確かに幻夢が初心者だった頃、戦闘の知識や素敵な女性の見分け方……など色々と教えたものだ。
「ふむ、ナンパの仕方を教えたのが懐かしいな……」
「ど、どうしたら……そんな恥ずかしい事をさらっと言えるんですか……?」
「俺はな、物事ははっきり言う事にしてるんだ」
「……そういう意味では無いんですが…………」
不満顔の幻夢の頭を撫でてから視線をモニターに戻す。
「さて、銀髪君。どうやって勝つつもりなんだ?」
…
【ユウキ視点】北側
片刃刀を両手に握り駆ける。
相手が盾を前に出しカウンターの構えを取る。
「飛翔」
剣を交差させ追い風で突っ込む、相手は盾の中心で受け止め双刃刀を振りかぶる。
「飛翔」
それを回避すべく足下に風を起こし宙を舞う、相手の背後に回り右手の片刃刀を振り抜くも双刃刀で弾かれてしまう。
互いに間合いを取り構えを取る。
次の攻撃のタイミングはほぼ同時だろう……。しかし先程の攻防から相手の方がSTRが高いと推測できる上、更に付け足せば相手には奥の手である加速発射がある。
対してこちらは変幻自在の剣を持つ代わりに時間制限がかかる上決め手に欠ける短期決戦用の武器。
最初は時間制限を考慮して素早さを活かした攻めを考えた。しかしそれでは慎重さが無くなり、相手に焦りを悟られれば守りを固められ持久戦に持ち込まれるだろう。
そう、この魔術武器はメリットに対して余りにもデメリットが多い…………。
片刃刀を生成しながら思考を巡らせ対人戦術を考案する僕に双刃刀は迫っていた。
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