EXP.89 銀髪伝説 その4
僕は短剣を手に、駆け相手を中心に走り回る。
そして背後から突きを放つも盾で防がれ、双刃刀のカウンターが僕の首を狙う。
「飛翔!」
風で自らの体勢を崩して刃を躱すが、盾で殴られ僕の身体は宙を舞う。
流石はブロッカー個人戦2位だけの事はある、今まで戦ったプレイヤーの中で三番目ほどの実力だ。
とは言ってもそんなに戦った事は無いんですけどね……。
「次はこちらから行くぞっ」
盾を壁に突っ込んで来る相手をサイドステップで右側に回り込み斬りかかる。
しかし、アルトニアさんはそれを狙っていたかの様にブレーキをかけ盾を振り回し、僕が引いた所へ突きを繰り出して来る。
辛うじて防いだが短剣に罅が入る。
これじゃ、もう使えないな……わざわざカレンに作ってもらったのに……。
「お前、以前は短剣を使っていなかったはずだが?」
「ちょっと修理に出してまして……」
質問に返答しながら籠手の固定具を外し新たに取り付けた接着部品に短剣を装着する。
「鎖状」
鎖を引き連れ錘が勢いよく飛ぶ、アルトニアさんは盾で防ごうと構える。
だが、それは無意味だ。
「何!?」
錘は盾に防がれる事なくアルトニアさんの身体に突き刺さる。
それもそのはず僕も最近知ったばかりの事だが『鎖状』は『防壁』対策としてホワイトワールドで制作された物らしく、魔法類は貫通しアバターや壁といった物質にのみ反応するらしい。
そして鎖を巻き籠手を相手に向けて飛ばし短剣が盾に刺さるのを確認してから、
「起爆」
短剣に刻まれた文字が光り出し爆破する。
爆煙で視界を遮り急所を狙ってとどめを刺す。
いくら鍛錬を積んでも短期間で追いつけるとは思っていない、だからこそアイデア勝負で勝つ。
「加速発射」
「え、飛翔」
風で宙を舞い、煙を払いのけ飛んでくる盾を躱し地に着くと同時に走り接近する。
「いい作戦だが……これで終わりだ」
双刃刀を振りかぶるアルトニアさん、確かに前回の試合のままだったら負けていただろう……。
だが、今は違う。
「オールブレード 起動!」
何度も味わった全身が脱力し筋肉繊維が千切れる感覚を確かめる様に右手に片刃刀を握り双刃刀を防いだ……。
ご意見ご感想お待ちしております。




