EXP.88 ブロッカー個人戦2位 その3
【林 視点】北側
拳の嵐がボクを襲う。
時間稼ぎとバレている以上、放置されるかと思ったが……その逆で怒涛の攻撃が牙を剥いた。
軽やかなフットワークで右、左、正面から打ち込まれる拳から身を守るのは至難の技だ。
防御に徹していなければ数十秒でやられていただろう。
こうなったら…………。
「綱糸罠」
左手に現れた糸玉からワイヤーを乱射し相手を拘束する。
「加速発射」
アルトニアさんは左の鉄拳を放つ、打撃判定であろうそれは何本かのワイヤーを破りこちらに飛んで来る。
「ぐっ…………」
即座に構えた盾で逸らす事が出来たが、耐久値の限界か盾が音を立てて崩れる。
「なるほど、一定以上のダメージを受けると壊れるのか」
「防壁二重」
再び盾を形成する、しかし部位によって厚さを変える為構築にも時間が必要となってしまう。
「させるかっ」
アルトニアさんは左の魔術武器の再構築を始め至近距離まで接近する。
「加速発射」
右拳のアッパーを盾で防ぐも、強烈な衝撃で宙を舞う。
そして空かさず左の双刃刀が……、
「終わりだ」
ボクの視界がふわりと浮く。
その映る中には自分の……首のない身体が倒れている。
そして見知った銀髪の少年が突風の様にこちらに向かっていた。
「あとはお願いします。ユウキさん」
誰にも聞こえないが強い言葉で、
『林 HP全損 LOST』
…
【ユウキ視点】北側
「……間に合わなかったか」
砕け散る仲間を見つめる事しか出来ない自分に腹が立つ。
「時間稼ぎは成功の様だな……」
「次は貴方の番だ」
アルトニアさんは右を双刃刀、左を盾に切り替え構える。
僕は短剣を逆手に持ち構える。
(あとはお願いします。ユウキさん)
去り際の友の言葉が僕の背中を押した。
…
【カレン視点】南側
私は撃つタイミングを見計らっていた。
未だに『Team』の二人は防壁を展開している理由は、可夢偉にはクアネルしか映っていないが当のクアネルは外れた弾が防壁に向かうよう設定している。
その為『Team』の二人は身動き取れずにいた。
そこを撃つ事自体は容易だが、スナイパーである海月に狙撃される可能性が高まる。
故にタイミングを見計らう必要があるのだが……。
化け物二人の攻防の所為でタイミングが掴めない。
「はあ……あの二人、終わらなさそうだし私も北側に行っとけば良かった」
そんな私の台詞と相反する様に二人の決着は迫っていた。
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