EXP.83 雷刃と閃光 その3
【楓月 視点】
「ただいま〜。なあ、なんで観客の連中は物とか投げてるんだ?」
「あ……お帰りなさい」
「解説しないからですよ!?」
気にしていない幻夢とは対照的に今にも泣きそうなベル。
「あ、幻夢なんかいるか?」
「じゃあ……そのフランクフルト擬きを」
「あの〜そろそろ解説してもらえませんか? (涙)」
会場の波乱とは違い画面に映る試合は盛り上がっていた。
…
【クアネル視点】南側
「閃光弾」
俺が右手を突き出すと、幾つもの閃光が空気を貫いていく。
可夢偉の加速状態では殆どのプレイヤーが瞬殺だろう。そこで他プレイヤーは考える。
良い例を挙げると三つである。
一つ目は、『Team』の二人の様に防壁の防御範囲を広く、頑丈にして『電池切れ』を待つ。
二つ目は、なるべく近くまで寄せてから広範囲爆裂弾をぶち撒け道連れ自爆。
三つ目は、頭のキレる俺……クアネルの様に戦う事。
相手の動きを先読み……なんて物凄い計算が出来るわけでも『直感』スキルがある訳でも無い。
只々、相手の道を塞いでいって特定するという閃光弾を連射する事が出来るからこその芸当。
故に可夢偉と一対一で勝てる人間は限られている。
しかし、あの高速の弾を避けるアイツはやはり怪物だ。
…
【可夢偉 視点】南側
雷刃 発動中は基本的に自分が速く感じる(実際にそうなのだが)。
通常時
爆裂弾、遅い。
散弾、範囲外なら問題なし。
追尾弾、普通……目に見える避けられる。
貫通弾、速い避けられない。
雷刃発動時
爆裂弾、止まって見える地雷も同然。
散弾、範囲外なら問題なし。
追尾弾、遅い。
貫通弾、普通に避けられる。
閃光弾、目で追えなくは無いが速い。
この様に通常時と大分違う訳だが閃光弾などアタッカーで使う奴はまず少ない、速すぎて操作が難しいからだ。
しかし目の前の男……クアネルはそれを使い更に連射してくる化け物だ。
コイツの相手をしている間に『電池切れ』なんて事がざらにある。
今日こそ、この化け物を退治する。
その言葉を胸に刻み刀を構え直した。
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