EXP.8 街めぐり
「変な人だったんですけど、とっても格好よかったんですよ」
「へぇ〜。ところで、どうやって彼は君を助けたんだい?」
「それが……。よくわかんないんですよね〜」
街の大通りを二人の男女は、昨日の出来事を駄弁りながら歩いている。
現在ー
4月23日 午前9時30分
先ほどログインした僕達は15分ほどかけて、ギルドに換金+入団手続きを目的として歩いている。
「昨日に比べて、人が少ないですね。休日なのに」
「休日のほうがログイン数は減るんだ。それに、一番さかえるのは夕方なんだよ」
「へぇ〜、そうなんですか」
なんだかんだ1日で仲良くなった僕らは、のん気に世間話をしていた。
すれ違う人の瞳からは、殺意が溢れ出ている。きっと、リア充死ねと内心で叫んでいるのだろう……。
「やっと、着いたぞ!」
「お〜、すごい建造物ですね〜」
ソレは、この街の中心にそびえ立ち、街の中なら何処からでもその姿を見る事が出来る巨大な建造物である。
「ココがギルド。今日から君がお世話になる場所だよ」
「はい……」
無数にある扉の一つを開くと、沢山のプレイヤーが行き交っていた。正面の奥にエレベーターらしき物があり、右側には受け付けのカウンターと沢山のテーブルや椅子が配置されている。左側には換金場や酒場を始めとした食事処がある。
ココは面積で言うと、学校の体育館のコートが4つ分ほどはある。無駄に広い。
「広いですね……」
「ココはいつでも、お祭り騒ぎ状態だなぁ」
確かに、シアさんの言う通りな気もする。そこら中で、盛大な笑い声が聞こえてくる。
「とっとと換金して、次に行こうかユウキ君」
シアさんは、よっぽどココが嫌いな事がわかるくらいに、嫌悪感を放出していた。
僕達は換金場にて50個のコアを換金する。
担当のプレイヤーにコアを引き渡す。[コア 小]は1つ50Gなので僕達は、2500Gを手に入れた。
その後、カウンターに向かい担当のプレイヤーに入団手続き書を提出して、僕達は建造物を後にした。
「次は、どこに行くんですか?」
「ちょっと、知り合いの店に行くからついて来て」
「はい」
再び、大通りを歩き、彼女は途中で路地に入って行く。
その路地は。
薄暗く、人の声も聞こえない、深い迷宮に誘い込む。
「この路地。来たことがあるような……」
「よく覚えていたね。昨日、私達が出会った路地だよ」
そんな話をしていると、路地の行き止まりに辿り着いていた。
正面から右側に目的地らしき店が佇んでいる。看板を見ていると、店の名前らしき物を発見する。
店の名は、『Getting rich quick』。
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