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主人公にも安息を  作者: マト4
初心者編
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EXP.7 風に憧れて

そよ風が頬を撫でた気がした。



次の瞬間、地面に腰が衝突していた。


「いてっ⁉︎」


立ち上がろうと手を着くと、土や石しか無いはずの洞窟に草が生えている。

疑問を抱きながら、目を開くと男の後ろ姿があった。

背景には、先ほどまでいた洞窟とは異なり、このフィールドに来た時には視界に入っていたものだった……。

男は振り向き、口を開く。


「大丈夫か? 、ニュービー君」


男は、軽装というよりも服に近い物を装備していて腰には、漆黒の片手直剣を納めている。

僕は辺りを見回し質問する。


「ここは……。どこですか?」


「ここか? 、洞窟の外さ」


「でも、僕はさっきまで死にそうになっていたのに、どうしてココにいるんですか?」


男は少しだけ悩む仕草を取り、口を開く。


「俺は正義の味方だから瞬間移動をしたのさ」


何を言ってるんだ、この人は?


「たっ助けて頂き、ありがとうございました」


僕はとりあえず、深々と頭を下げる。


「いやいや、困ってる人は放っておけないだろう?」


男は少し照れると自己紹介を始める。


「俺の名前は楓月ふうげつよろしくな!」


「僕はユウキです。よろしくお願いします」


互いに挨拶を交わすとお辞儀する。

すると、彼が耳を澄ませ始める……。


「急に仕事がはいちまった……。じゃあな、ニュービー君。また、どっかで会おうぜ」


彼は、そう残すと立ち上がり銀色の髪を掻きながら、彼方へ歩いて行った……。


僕も帰るか……。


僕も立ち上がり、門に向かって歩き出す。


5分後ー

黒い渦を抜けた僕は、無事に(無事じゃない気もするけど)帰還した。


「生きて帰ってきて、良かったよ〜」


彼女が僕の帰りを待っていた。


「一時はどうなるかと思いましたよ……」


「私は君のこれから先が心配なんだが……」


「あははは…………」


僕は笑顔で誤魔化す。


「ところで、途中で連絡が取れなくなったんですけど。何かあったんですか?」


「いや、君がゲリラフィールドに入ったから通信が切れたんだと思うよ」


「なるほど」と独り言を言って頷いている僕に彼女が質問してくる。


「明日は休日だけど、ログインするかい?」


僕は少し考えて返事を返す。


「平日はともかく、休日は1日中でも大丈夫です」


「なら明日もやるか!」


「はいっ!」


互いに時間を相談する……。



「じゃあ、確認だけど。朝9時にログインで正午に昼食を取るために一回ログアウトして、午後は7時までで良いね?」


「大丈夫です」


確認を済ませると僕は落ちる準備を始める。


「それじゃあ、お休みなさい」


僕は深々と一礼する。


「お疲れ様〜」


彼女は眩しい笑顔で僕を見送ってくれた。


僕はメニューを出して、設定からログアウトの文字を押して、確認画面のOKボタンをタッチしてログアウトした。


宿屋の一室と彼女の笑顔が消える最後まで視界に写っていた。


こうして、僕のプレイ初日は終了した。




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