EXP.7 風に憧れて
そよ風が頬を撫でた気がした。
…
次の瞬間、地面に腰が衝突していた。
「いてっ⁉︎」
立ち上がろうと手を着くと、土や石しか無いはずの洞窟に草が生えている。
疑問を抱きながら、目を開くと男の後ろ姿があった。
背景には、先ほどまでいた洞窟とは異なり、このフィールドに来た時には視界に入っていたものだった……。
男は振り向き、口を開く。
「大丈夫か? 、ニュービー君」
男は、軽装というよりも服に近い物を装備していて腰には、漆黒の片手直剣を納めている。
僕は辺りを見回し質問する。
「ここは……。どこですか?」
「ここか? 、洞窟の外さ」
「でも、僕はさっきまで死にそうになっていたのに、どうしてココにいるんですか?」
男は少しだけ悩む仕草を取り、口を開く。
「俺は正義の味方だから瞬間移動をしたのさ」
何を言ってるんだ、この人は?
「たっ助けて頂き、ありがとうございました」
僕はとりあえず、深々と頭を下げる。
「いやいや、困ってる人は放っておけないだろう?」
男は少し照れると自己紹介を始める。
「俺の名前は楓月よろしくな!」
「僕はユウキです。よろしくお願いします」
互いに挨拶を交わすとお辞儀する。
すると、彼が耳を澄ませ始める……。
「急に仕事がはいちまった……。じゃあな、ニュービー君。また、どっかで会おうぜ」
彼は、そう残すと立ち上がり銀色の髪を掻きながら、彼方へ歩いて行った……。
僕も帰るか……。
僕も立ち上がり、門に向かって歩き出す。
5分後ー
黒い渦を抜けた僕は、無事に(無事じゃない気もするけど)帰還した。
「生きて帰ってきて、良かったよ〜」
彼女が僕の帰りを待っていた。
「一時はどうなるかと思いましたよ……」
「私は君のこれから先が心配なんだが……」
「あははは…………」
僕は笑顔で誤魔化す。
「ところで、途中で連絡が取れなくなったんですけど。何かあったんですか?」
「いや、君がゲリラフィールドに入ったから通信が切れたんだと思うよ」
「なるほど」と独り言を言って頷いている僕に彼女が質問してくる。
「明日は休日だけど、ログインするかい?」
僕は少し考えて返事を返す。
「平日はともかく、休日は1日中でも大丈夫です」
「なら明日もやるか!」
「はいっ!」
互いに時間を相談する……。
…
「じゃあ、確認だけど。朝9時にログインで正午に昼食を取るために一回ログアウトして、午後は7時までで良いね?」
「大丈夫です」
確認を済ませると僕は落ちる準備を始める。
「それじゃあ、お休みなさい」
僕は深々と一礼する。
「お疲れ様〜」
彼女は眩しい笑顔で僕を見送ってくれた。
僕はメニューを出して、設定からログアウトの文字を押して、確認画面のOKボタンをタッチしてログアウトした。
宿屋の一室と彼女の笑顔が消える最後まで視界に写っていた。
こうして、僕のプレイ初日は終了した。
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