EXP.79 銀髪伝説
「次に君達が戦うチームが決まったよ!」
……
ここはギルドの酒場。
朝から僕、林、カレンを呼び出したシアさんが遅れて来るなり会話を始める。
「どうして、誰も何も言ってくれないんだい!?」
「呼び出しておきながら、一時間も遅れて来るとか……どうなってんですか?」
シアさんの額から汗が滲み出る。
このゲーム内と現実の気温は全く同じではない為、夏の暑さが原因で無いのは言うまでもない。
「まあ……とりあえず、これを見ておくれ」
「あ、誤魔化した」
「いいから見て!」
カレンのツッコミを全力で遮り、開いたウインドウを全員に見せるシアさん。
【第ニ回戦 下級者の部】
『Slash』
『Team』
『Seeker』第4部隊
『Requiem』
「しかも、どのチームにも下級者とは思えない程の強者がいるんだ」
「それってどういう意味ですか?」
「どのチームにも個人戦だけなら順位が高い奴がいるんだ」
カレンから僕へ言葉が紡ぎだされる。
「まず『Slash』は可夢偉。ブレイカー個人戦3位の実績でエクストラスキル『雷神』の使い手だ、敗因は戦闘メンバーが可夢偉のみってとこだな。次に『Team』このチームのエース、アルトニア。彼はブロッカー個人戦2位に上り詰め、二本の魔術武器を使いこなす天才だ。こちらの敗因はエース以外の他メンバーの戦闘力の低さだろう」
カレンが認める程となると相当な強さなのだろう。
「最後に『Seeker』第4部隊、ここは問題児しか居ないが実力は高い賞金首共だ。エースはクアネル、アタッカー個人戦1位の超天才だ」
更に上がいるのね……。
「今回の相手はどこも強い、どうするユウキ?」
「また、僕に全振りのパターンですか……」
…
それから数週間後、僕達(僕と林)は特訓とバイトの過酷なスケジュールを乗り越え二回戦目を迎えようとしていた。
「はあ……バイト疲れた……」
「ですね……」
「試合前までシフト入れてるからだろ、もうすぐ始まるんだからシャキッとしろ!」
「「はい……」」
…
【楓月 視点】
青髮のおさげを二つ垂らした女の子。
「夏季大会下級の部第二回戦、実況は私第5位『Hunter』のオペレーターを務めています。ブルーベルリン、解説は…………」
の視線の先で、
「なんで私が解説席なんかに行かなきゃいけないんですか!?」
「ベルが困ってたから解説役しようと思ったんだよ、それにデートなんだから良いだろ」
「それは貴方の事情じゃないですか、私を勝手に巻き込まないでください!」
俺は幻夢と揉めていた……。
「なんでデートはすんなりオッケーしてくれたのに、解説はダメなんだよ」
「デートの件は此間の賭けの分です」
「でもさあ、デートなんだし共に時間を過ごそうぜ?」
幻夢が渋々席に着く。それを見ながら、なんだかんだで良い奴だなと思った。
「よし、解説は俺こと楓月と」
「幻夢……」
「で、お送りします!」
こうして銀髪くん達の第二回戦は幕を開いた。
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