EXP.71 商売上手
皆様、大変お待たせしました!
……
すいませんお許しください。
この作品を、これからもよろしくお願いします!
マキナさんが眠りに就くため、宿を目指し始めた僕とシアさん。
「いや〜良かったね!」
「騙してる時点で良くないですよ」
「そういえば、初めて出会った時もこんな会話したね〜」
「そうですね」
談笑をしながら帰路を進む途中、メニューのフレンドのページを開く。すると、基本昼頃からログインする林の名前が表示されていた。
「なんで、林こんなに早くからログインしてるんだろ?」
「なんか最近バイト始めたらしくてさ、今日は朝からシフトって言ってたよ」
僕には教えてくれないのに……。
「なんのバイトですか?」
「よく知らないけど……カフェって言ってたよ」
「へ〜」
そんな会話をしていると、ぐ〜と僕のお腹が鳴ったのでシアさんが笑顔で口を開く。
「そろそろ昼時だし、ギルの店に何か食べに行こうぜ」
「はい……」
…
店に着くと扉が開き、
「また来ようぜ」
「ああ」
数人の男性プレイヤーが上機嫌で出て行った。人気の少ないこの店にしては珍しい。それを気にする僕とは違い、いつも通りの……、
「今日も来てやったんだから割引しろー!」
無茶を言い出すシアさん。
キッチンから出て来たギルさんの頰が引き攣っている。
「お前はいつになっても成長しねぇな!」
「ギャアアアアアアアアッ!」
カウンター越しに伸びた腕に頭を押さえられ、シアさんが叫ぶ。
「ギルさん、落ち着いてください。シアさんが……」
「悪りぃなボウズ。俺は間違ってた……こいつはな、ちゃんとしばかなきゃ駄目なんだ……」
哀しそうに語る顔とは対照的に、どんどん指先に力が込められていく。
二人が揉めていると、キッチンから人影が……そこにはエプロン姿の林がいた。
「林……何してるの?」
「あ、ユウキさん……えっと、バイトです」
エプロンと表現したが、もちろんロングスカートのメイド服である。
…
「どういう事か説明してもらおうか?」
「働きたいって言われたからよ……」
「メイド服を着せるのは違うんじゃないかい?」
「悪かった……」
シアさんは先程の仕返しとばかりに攻めていく。
「それで……林、弁解は?」
「えっと……こないだのお休みに料理スキルを買いまして……ハマっちゃいました」
こないだの休みという事は……特訓期間か、nekoさんは基本的に基礎を教えて自習が多かったらしく林はよく出かけていた。
「それで……料理スキルの向上を兼ねてお金を稼ごうと思って……」
「向上?」
「あ、はい。職人スキルは熟練度式なので使えば使うほど、成功率が上がったりクオリティが上がるんです」
「なるほど……」
僕も職人スキル買いに行こうかな……。
「な、あっちはスキル向上。こっちはバイトが来る。ウィンウィンの関係ってやつだ」
「メイド服……いるかい?」
「客にウケたんだよ」
「本当はやましい気持ちがある癖に……」
「無えって言ってるだろ!」
いつになく本気のギルさん。とはいえ、林のメイド服は正しく美少女のそれだ。何も知らない男性プレイヤーなら釣れること間違いなしだ。
なんか可哀想だな。
それでもシアさんの難癖が止まることは無かった。
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