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主人公にも安息を  作者: マト4
夏季大会編
70/141

EXP.70 たま? には休暇も……

大会の翌日


僕は夏休みに入ったばかりの為、朝からログインしていた。


そしてシアさんと街を散歩……案内されていた。


「結局どこに向かってるんですか?」


方角的にギルドでもギルさんのお店でもない。


「ちょっと君を会わせたい人がいるんだ」


シアさんが薦める人って……良い予感がしない。



暫く歩き、路地を進んでいくと行き止まりに辿り着く。


「シアさん、何も無いじゃないですか……」


「こっちだよ」


シアさんが指差す方向を辿ると、足下にハンドルの付いたマンホールの蓋があった……。



梯子を下りると、暗い通路が現れる。


点滅する電灯や通路の奥から響いてくるカンッカンッという音が、恐怖心を擽る雰囲気を醸し出している。


僕が怯えている様を笑うシアさん。


路地に入った辺りで確信したが、この人の知り合い……ロクな人いない。


そんな考えが頭の中で肯定されている頃、現実ではシアさんと共に音の源らしき部屋の前に立っていた。


僕がそれに気付くのは数秒後の事だった。



「いや〜本当にごめん」


工房と思しき場所で、手を合わせて頭を下げる女性。


「だから、ちゃんと説明したじゃないか」


隣ではシアさんが腕を組み威張っていた。


「開く瞬間に、何か物が飛んでくるって」


そう数分前……扉が開くと同時に意識が戻り、眼前に迫っていた金槌が僕の顔面にもろ、ヒットしたのである。


もちろん僕が気絶したのは言うまでもない。


「改めまして、私はマキナ。見ての通り鍛治職人として生活費を稼いでる者だよ」


タンクトップにバギーパンツを身につけた女性、灰色の前髪で左目が隠れているが右目の隈がすごく濃い。


「また、オールかい?」


「仕事があってさ〜……」


呆れ顔のシアさんに笑って見せているが、この人……相当無理してるんだろうな……目が笑ってない。


「それで、今日は何の用で?」


「用も何も、私がギルに頼んだ防具をどうして作ってくれなかったのさ! その上カレンに押し付けてっ」


困り顔で答えるマキナさん。


「いや〜あの時は私もピークだったし……カレンの商品あまり買ってもらってなかったみたいだからさ〜」


「そういう問題じゃないだろう!」


「シアさん落ち着いてください……」


興奮気味のシアさんを宥めていると、


「わかったよ、何か作るからそれでチャラだよ?」


「よし、良いだろう!」


先程とは打って変わり、笑顔のシアさん……察するに僕とマキナさんは騙されたのであろう。


その頭をもうちょっと違う事に使って欲しい。


そう願う僕だった。




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