EXP.65 『Seeker』第1部隊 その3
【AIRA視点】
「ごめん……ソーマ……」
「ドンマイ、次は当てろよ」
私の狙撃は大男の頰を掠めただけだった。
「諦めて死んで……」
「オレ、味方に捨てられた気分なんだけど……」
スキルと思しきボディブローでソーマはその場に崩れ落ちる。
「あ、もう無理。死ぬわ……」
「喋る余裕があるなら逃げれば……?」
「麻痺った……」
それは死ぬしか無いかな……。
ソーマが遺言の様に愚痴を零している間に大男は壁からハンマーを引き抜いた。
…
【ソーマ視点】
いや〜こりゃあ無理だな。
麻痺は消えたものの……もう既に遅しだ。
ベヒモスが掲げたハンマーを振り下ろす……その瞬間、ベヒモスに向け矢が飛んできた。カレンさんの物だ。しかし、この試合にカレンさんはいない。
ベヒモスがそちらに意識を向けた瞬間に起き上がり、槍を手にする。
「助けなくたって良かったっすよ、リクト先輩」
空間から金髪を揺らし人が現れる。
「いや〜偶々だよ……」
相変わらず笑顔は崩れていないが、その眼には獲物が写っている。
「光矢+爆裂弾」
それぞれの手元に熱を纏った球体と鋼色の液体が現れ、鋼が球体を覆う。
『形状変化合金』
球体が捻れ、ランスへとその姿を変える。
「行きますよっと」
二つの捻れた刃が伸び、オレとベヒモスを貫こうとする。
急な加速に反応するのがやっとなオレとは対照的にベヒモスは重装備のハンマーの為、右腕を貫かれ壁に縫い付けられる。
ランスが赤く光る。
ベヒモスは左手で腰からナイフを取り右腕を切り離す。その直後、鋼は熱を放ち壁ごと爆散する。
ゲームとはいえ、多少の痛みがあるのに腕を切り落とせるとは……何処の戦闘要員だよ、と内心でツッコミを入れつつリクト先輩に突きを繰り出す。
「光矢」
その言葉に従う様に右手に光の槍が現れ、リクト先輩はオレの槍を逸らし身を守る。
くそっ仕留められなかった……。
攻撃を避け放った為に、オレの背は隙だらけだった。
背後に物が接近しているのが分かる。
「あとは頼んだ……ア」
「ソーマ」
よく知っている声が耳元に聞こえた……。
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