EXP.64 『Seeker』第1部隊 その2
【アカクラ視点】
プレイヤーに貫通弾が嫌われる理由は二つある。第一に名前の通り壁や盾を貫通する事。第二に最も高い弾速を誇る。
しかしデメリットもあり、直進しか出来ない事や反動が強いという点から拳銃や狙撃銃位でしか使えないという理由で好んで使うプレイヤーも少ない訳だが……。
『Hunter』の奴らは全員、好戦的な為STRだけ無駄に高い。スナイパーですらBランクという脅威的な集団である。
そんなチームのリーダーであるキトはライトセイバーと拳銃を同時に使える……といった天才の分類に入る人間である。
しかし、だからと言って負ける訳にはならないのである。
突撃銃を左手に持ち替え、十字に交差してある片手槌を一本背から抜く。
突撃銃で応戦しながらも、距離を詰められてしまう。
近接戦闘に持ち込まれ、片手槌で光剣の乱舞から身を守る。
「光矢」
何もなかった空間から光の矢が放たれ、俺とキトは跳びのき躱す。
空気が揺らぎ、福を呼びそうな笑顔でマッシュルームヘアの青年が現れる。
「一人だけ置いて行かれたからって嫉妬するなよ、リクト」
キトのあからさまの挑発にリクトは表情を変える事なく口を開く。
「お二人には勝てなさそうなので、失礼します。透化」
その一言を残し、薄くなり消失していく。
…
【ソーマ視点】
視界目一杯に走る鉄鎚、を槍で往なしていく。それでも止まる事が無いのは、相手が戦いなれている証拠である。
オレがしゃがんで躱した事によってベヒモスの大振りの一撃が壁に食い込む。
当然その隙を逃すはずも無く、突きを繰り出す。
するとベヒモスはハンマーから手を放し、身を捻り回避する。しかし、それで終わらずバク転をしながら蹴りを繰り出す。
避けるのは容易かったが、距離を開けてしまう。
恐らく体術が出来るベヒモスと距離を取った場合……槍のリーチを活かせれば勝てるとは思うが、躱された際に肉薄されのが目に見える。
ここは…………。
オレは槍を構え、トップスピードの突きを繰り出す。
ベヒモスは躱しカウンターの構えをとっている。だが、これで良い。
オレの作戦勝ちだ! 脳筋野郎!
「AIRA!」
オレは久しぶりにその名を呼んだ気がした。
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