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主人公にも安息を  作者: マト4
夏季大会編
62/141

EXP.62 嵐の男 その2

【幻夢 視点】


「よ、元気してたか幻夢? このあと一緒にお茶でもどう?」


「お久しぶりです。またナンパですか?」


少し睨みながら、背の愛刀……椿の柄を握り鞘から抜き出す。


「NOか……そっちの新入りの子はどう?」


「え、私ですか!?」


「花、あの女誑しの言葉に耳を傾けては駄目」


「はっはい」


花は動揺しつつも腰の二刀を引き抜き、構える。


「お茶誘っただけで女誑しって……酷くない?」


「行ける?」


「大丈夫です! ホワイトワールドで、つじきりさんより強いブレイカーはいませんから!」


「え……」


その考えは少し違う、と言葉にするより速く花は飛翔エリアルで楓月さんの周りを飛び回る。


「一つ言っとくけどな……」


楓月さんが腰に下げた漆黒の片手直剣を引き抜く。


「俺より牙の方が女誑しだから!」


そんな事を言いながら、スナイパーの銃弾からバックステップで身を躱した。



【ユウキ視点】


「凄い……」


音も無かった狙撃をノールックで躱すなんて凄すぎる……。


「彼の持つエクストラスキル『千里眼』の効果さ。一定の範囲にいるプレイヤーなんかを把握できてこその芸当だよ」


そんなスキルを持ってるなんてやっぱり楓月さんって凄いと再び思い知らされる。


僕達はこんな会話をしていたが解説席では……、


「流石は変人トリオ」


「牙さんは女に飢えた変態なだけだから、女誑しは楓月さんだと思うな〜」


「ツッコむのそこですか……?」


最早、解説でも何でも無くなっている。


「でも、楓月さん財産とか凄そうだからリンゴちゃんとかならイケるんじゃないかな〜?」


「そういう事言ってるとストーカーが殺しに来るぞ、あの子のファンクラブチームが消滅したの……お前だって知ってるだろ」


「確かに……それにしても、あれは天災だった……」


少し興味があるが……試合にすら関係ない話を始める二人の声を聞きながら、試合に集中した。



【幻夢 視点】


サイレンサー付きの狙撃という事は、青眼か……。


狙撃を躱した楓月さんが自身の周りを飛び回る花に剣先を向ける。


透化ステルス


花が壁を蹴る直前に姿を消して斬りかかるものの、見事に防がれる。


「いや〜相変わらず透化ステルスはキツイな。あ、もしかして……お茶より珈琲が良かった?」


一度花が距離を取る、のと同時に自分が前に出る。


両手に握られた愛刀の椿が薄紫の霧が放出する。



【楓月 視点】


幻影乱舞げんえいらんぶ


幻夢が太刀を振る際に、相手に三つのエフェクトを見せる回避不可の剣技。ただ実体があるのは一つのみの為、防げる可能性もあるのだが……。


コイツはわからん……。


三本の軌道が眼前に迫る。


試しに片手直剣を逆手に持ち替え左斜めに構え、右と上から振り抜かれた刀を防ぐ。


「ふぅ危ない危ない……もうちょっと手加減してくれても良いんじゃない?」


左の斬撃が実体だったら間違いなく斬られていた。


二人は距離を取り、刀を構えて警戒している。


女の子がそんな目をするのは良くないと思うな〜。


「楓月、そろそろ時間とか気にして」


「ま、いいか…………そろそろ本気でやりますか……」


二人がより警戒を強める。


「そんじゃあ……『黒嵐ブラック・バーサーカー』起動」


持ち直した愛剣が吠えるように風を巻き起こした。

いつもすいません。


作者の私事情(過酷なスケジュール)により八月の更新を休ませて頂きます。


九月からは更新できると思いますので、お許しください。



ご意見ご感想お待ちしております。

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