EXP.61 嵐の男
「ま、楓月が一人で来るって事は……」
「本気で来てます」
解説の二人は先程とは打って変わり、険しい表情で語り出す。
「そもそも……楓月いなくたってあそこは勝つだろ」
「確かにそうですねー」
実況である梟さんのやる気の無さに少々驚きつつも、リオさんが異常なんだなと思い心の中で謝ることにした。
「ま、俺がいたら話は別だけどなっ!」
「そういう論外発言は寝言でお願いしまーす。それでは、試合開始で〜す」
始まるの急すぎません!?
なんて内心でツッコミながら画面に目をやった。
…
【楓月 視点】
「今から他のチームの音声送るねー」
「お、サンキューな」
今日もリオのエクストラスキル『情報窃盗』を使って他チームの動きを盗聴しながら、のんびり『雪街』を歩いていた。
少量の為積もる事はないが、雪が降り続けるという設定は実に面白みがある。
というか、面白そうだからココにしたんだけどね……。
「それにしてもさー、ステージ位ちゃんと選んでよ」
「次から本気だす!」
「それ前回も言ってたけど……」
「そだっけ?」
お怒りのリオに誤魔化しつつ、耳を澄ませる。
『とりあえず、集合だ。ポイントはキキョウに任せる』
『『『『了解』』』』
これは……アカクラか。
『俺とベヒモスで第1を獲りに行く、サノと青眼は楓月の足止めを頼んだ』
これは……キトだな、行ければ点を奪って来いって意味だろうけど……。
『ボクが第1部隊。二人は楓月さんをお願い』
『了解……』『ラジャー!』
これは『Assassin』だな。
となると……幻夢と新入りの子、サノと青眼が俺で残りはアカクラん所に行くのか……。
ソーマとかに教えてやりたいとこだが、今は敵だからな。
そんな事を考えながら歩いていると、
「楓月〜一人接近中〜速さ的にたぶん飛翔持ち」
その言葉で気づくと、二人は認識できる距離に入っていた。
とは言っても25メートルは先だけどな。
「ありゃあ多分……『Assassin』のお二人方だな」
動きやすい様にデザインされた着物みたいなユニホームを着た二人の少女。
新入りの飛翔で隠蔽持ちの幻夢も飛んでいる。
「久しぶりだからな〜身体鈍ってないと良いけど……」
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