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主人公にも安息を  作者: マト4
夏季大会編
54/141

EXP.54 雨のち晴れ

この大会のルールは、キル制らしく四つのチームの選手が選択されたステージで闘い……他チーム全滅時またはタイムアップ時のキルポイントを競うらしい。因みにステージ決定権はランダムで決定されてるそうだ。


『全プレイヤー転送完了』


システムアナウンスが言葉を告げ終え、真っ白な視界に3秒を示すカウントダウンが始まる。


数字が0になると同時に、数多の水滴が身体に触れた。



【リオ視点】


「おおーっと! これは天候操作『豪雨』です!」


「これはキツイ……狙撃どころじゃないな」


「……とは言っても、前衛も辛いと思いますよ」


大型モニターには、嵐に晒された『市街地』。右端にはプレイヤーの位置とマップの地形が小さく映されている。


銀髪くんも……いやらしい戦術使うな〜。


私はそんな事を考えながら、この後の試合に期待を込めた。


【ユウキ視点】


雨に染まりいつもの街並みは、その姿を大きく変えていた。


隠蔽シャドウ オン」


隠蔽シャドウを起動すると首元に黒の輪が現れ、そこから黒い布がマント状に広がり全身を覆っていく。


とりあえず、相手チームのレーダーに写らない様にして……。


「シアさん、目標座標への案内お願いします」


「え〜と……ユウキ君は左折右折直進二つ目で右折って林君そっちじゃない!」


なんかオペレーターって大変だなっと思った瞬間だった……。



「全員持ち場に着いたよ。敵さんもだけど……」


「分かりました。林、煙幕張って」


「了解しました」


シアさんに作戦開始の合図を送ってもらいながら、あらゆる可能性を考える。


シアさんに頼んで他チームの過去の記録を見させてもらったが、どのチームも一癖も二癖もある様に見えた。『Sniper』は全員がスナイパーである為に高い場所を確保しなければならない。『Runner』と『Lucky』は中距離に持ち込もうとするはずだから、僕達よりも『Sniper』を獲りに行くと予想が出来る。


「それじゃあ、お零れを獲りに行こうか」


「「了解」」



【林 視点】


「分かりました。林、煙幕張って」


「了解しました」


nekoさんの教えによれば……トラッパー専用の魔製手甲ガントレットは装着してるから出来るはず。


煙幕罠スモークトラップ


左の手のひらに野球ボール程の気体を詰めた様な真っ白な球体が現れる。


確かコレを握れば発動するって言ってたよな……。


「うわぁっ!?」


軽く握った瞬間に球体が割れ、煙が溢れ出していく。


「ゴホッゴホッ……これで良いのかな……?」


「それじゃあ、お零れを獲りに行こうか」


「「了解」」


煙に対する心配も……今は水に流しておこう。


煙が見えたらしいユウキさんの声に勇気付けられ、ボクは気持ちをリセットして走り出した。




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