EXP.54 雨のち晴れ
この大会のルールは、キル制らしく四つのチームの選手が選択されたステージで闘い……他チーム全滅時またはタイムアップ時のキルポイントを競うらしい。因みにステージ決定権はランダムで決定されてるそうだ。
『全プレイヤー転送完了』
システムアナウンスが言葉を告げ終え、真っ白な視界に3秒を示すカウントダウンが始まる。
数字が0になると同時に、数多の水滴が身体に触れた。
…
【リオ視点】
「おおーっと! これは天候操作『豪雨』です!」
「これはキツイ……狙撃どころじゃないな」
「……とは言っても、前衛も辛いと思いますよ」
大型モニターには、嵐に晒された『市街地』。右端にはプレイヤーの位置とマップの地形が小さく映されている。
銀髪くんも……いやらしい戦術使うな〜。
私はそんな事を考えながら、この後の試合に期待を込めた。
【ユウキ視点】
雨に染まりいつもの街並みは、その姿を大きく変えていた。
「隠蔽 オン」
隠蔽を起動すると首元に黒の輪が現れ、そこから黒い布がマント状に広がり全身を覆っていく。
とりあえず、相手チームのレーダーに写らない様にして……。
「シアさん、目標座標への案内お願いします」
「え〜と……ユウキ君は左折右折直進二つ目で右折って林君そっちじゃない!」
なんかオペレーターって大変だなっと思った瞬間だった……。
…
「全員持ち場に着いたよ。敵さんもだけど……」
「分かりました。林、煙幕張って」
「了解しました」
シアさんに作戦開始の合図を送ってもらいながら、あらゆる可能性を考える。
シアさんに頼んで他チームの過去の記録を見させてもらったが、どのチームも一癖も二癖もある様に見えた。『Sniper』は全員がスナイパーである為に高い場所を確保しなければならない。『Runner』と『Lucky』は中距離に持ち込もうとするはずだから、僕達よりも『Sniper』を獲りに行くと予想が出来る。
「それじゃあ、お零れを獲りに行こうか」
「「了解」」
…
【林 視点】
「分かりました。林、煙幕張って」
「了解しました」
nekoさんの教えによれば……トラッパー専用の魔製手甲は装着してるから出来るはず。
「煙幕罠」
左の手のひらに野球ボール程の気体を詰めた様な真っ白な球体が現れる。
確かコレを握れば発動するって言ってたよな……。
「うわぁっ!?」
軽く握った瞬間に球体が割れ、煙が溢れ出していく。
「ゴホッゴホッ……これで良いのかな……?」
「それじゃあ、お零れを獲りに行こうか」
「「了解」」
煙に対する心配も……今は水に流しておこう。
煙が見えたらしいユウキさんの声に勇気付けられ、ボクは気持ちをリセットして走り出した。
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