EXP.53 試合開始前
話を引っ張り過ぎて申し訳ないです。
次からは試合に行けるはず……。
作戦室と言っても、僕達の基地はギルさんの店の地下一階の小さな物置部屋である。
ギルドの支給品である大理石で出来た大きな正方形のテーブル。これを部屋に置くと、そのチームの作戦室と判断されるらしいので……シアさんがギルさんに頼み続け何とか貸して貰った部屋なのである。
「装備の確認は終わったかい?」
「問題ないです」
カレンの説明によると、防具等の見た目は隊服でも性能はそのままらしいので、背中に白銀が納められた鞘をぶら下げた状態の僕は2人が確認し終わるのを静かに待っていた。
「おい、ユウキ。私の最高傑作はどうした?」
「え、あれは防具だと思ったから着けられないのかなって……」
「アレはな。籠手であり、魔製手甲であり、盾でもある最高の一品なんだぞ。確かに『First star』もいいが、断然今作の方が良いぞ!」
「そう言えばそうだったね……」
目を輝かせながら語るカレンの説明を聞いていて、これから先も最高傑作と何度も言うんだろうなぁと思いながら気を取り直し、テーブルの装置を起動して話を始めた。
「とりあえず……今回の作戦は……」
…
【アカクラ視点】
俺は何故か解説席に座っていた。
隣には黒のコートと同色のジーンズを身に纏い、しっとりとした紫色の髪を掻いてる数少ない友人のキルマが座っている。
「初級の部一回戦目、実況は私『Seeker』第0部隊オペレーターのリオです! 解説席には暫定4位『Seeker』第1部隊のアカクラ隊長と暫定11位『Twin』のキルマ隊長にお越し頂きました!」
「どうぞよろしく」
「よ、よろしくお願いします……」
「それでは、出場チームの紹介をしたいと思います! まずは暫定17位……狙撃をメインにした『Sniper』。次は暫定18位……中距離を得意とする『Runner』。そしてこちらも中距離特化の暫定19位『Lucky』。そして今大会が初参加の暫定20位『Requiem』でお送りします!」
大型モニターにプレイヤー名が表示されていく。
『Sniper』
トーマ、寺戸、雨乞
『Runner』
滋賀、チクワ、見猿
『Lucky』
栗キン、蒼、紅
『Requiem』
ユウキ、林、カレン
「お二人は今回の試合は、どの様に進むと予想されますか?」
なんでだ……試合が始まるまでの最終調整の時間。
観客が会場の席を埋め始めた頃にキルマと話していただけなのに、リオさんに捕まるとは……。
緊張しまくってる俺とは真逆のキルマは、冷静に判断して考えを述べていた。
「初参加の『Requiem』は分かりませんが、遠距離特化の『Sniper』対して『Runner』と『Lucky』は中距離特化だから近付ければ勝つと思いますが……距離を詰められなければ負けですね。ま、ステージ決定権がある『Requiem』の動きで決まる試合だと思いますよ」
「な〜るほど〜、アカクラ隊長は?」
質問に対して少し考えてから答える。
「えーと……同じ様な意見ですが、『Requiem』が勝つと思います」
「理由を聞きたいところですが、ステージが決定された様です。今回のステージは、『市街地』ホワイトワールドの街をモデルにしたステージですね」
「市街地だと射線が通るから『Sniper』が有利になるけど、何か秘策でもあるのかな?」
「とりあえず、試合開始です!」
ご意見ご感想お待ちしております。




