EXP.5 不幸なプレイヤー
安堵のため息を吐くと、耳元に声が聞こえてくる。
「無事かい?」
「なんとか……」
彼女は僕の生存を確認すると彼女もまた、安堵のため息を吐いた。
すると突然、目の前にドロップアイテムを表示するウインドウが出現する。
ウインドウには、EXP.2・[コア 小]と表示されていた。
「この[コア]って、なんですか?」
「コアは、このゲームの全てさ」
「?」
彼女はブツブツと独り言を言い始める。しばらくすると、口を閉ざし静かになるが、再び開く。
「このアイテムをギルドに持っていって、換金してGにも出来るし。武器の研磨に使う材料にもなる。ま、とても便利な物さ」
「全て」という言葉の意味を理解した僕は彼女にお礼を言う。
「ところで、あの猪。2回しか攻撃して無いのに死んじゃったんですけど……」
「そこは、初心者用のフィールドだから仕方ないんだよ」
…
30分後ー
あれから、森の中を歩きまわり猪を見つけては短剣を抜いて、猪を倒す作業を繰り返していた。
ここで、僕はある一つの疑問を彼女に質問する。
「かなり倒してるのに、一向にレベルが上がる気配が無いんですけど」
「帰って来ないとレベルは、上がらないよ」
「え」
再び、僕に伝える文章を考えながら彼女は喋り出す。
「いま、君は経験値を貯めてる状態だ。それを教会で、ステータスに送ることでレベルが上昇するんだ」
「なるほど」
「いま、コアはいくつ位ある?」
質問に応えるために僕は、メニューウインドウを開きアイテム欄を見る。所持アイテムは、初心者用の軽装備と短剣。あと、コアだけなのだが全て確認する。現在、コアは47コ所持していた。
「47コあります」
「47コか……。君は結構できるみたいだから、もっと奥地に行っても大丈夫かな」
「本当ですか⁉︎」
身体能力にはあまり自信は無いのだが、褒められると嬉しい。
「じゃあ、指示に従って動いて」
「はい」
5分後ー
彼女の指示に従い、草むらをかき分けながら進んでいると。より、緑の量が増すエリアに到達した。
「この辺りですか?」
「ああ、敵も少し強くなるから気をつけてくれよ。死んでしまうと、アイテムをドロップするかもしれんからな」
「僕はどうでもいいんですね……」
「契約してるんだった」と小声で独り言を言っているが、まる聞こえである。
そんな会話をしていると、人型の魔物が現れる。体型は人に近いが、ぜんしん毛だらけで頭は猪である。
カーソルを合わせると[ワイルド・オーク]と表示されるソレは、何かを恐れている様子だが、御構い無しに短剣を抜いて斬りかかる。
…
先ほどまでの猪に比べ、猪男は倒すまでに5回ほど攻撃を行った。
敵の強さが目に見えるが、ドロップも良くなり、EXP.5・[コア 小]×3を手に入れた。
ここで狩っていれば、かなり稼げる。などと考えていると、背後の木が倒れ黒い影が現れた。
黒い巨体の腕は、筋肉が盛り上がり、その先に鋭い爪が生えていて、その下に黒く長い尾を垂らしている。
最も恐ろしいのは、黒い毛皮で覆われた狼の頭についている赫色の瞳である。人狼は口を開き、大きく息を吸うと。
「グァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
咆哮を上げ、僕に襲い掛かる……。
ご意見ご感想お待ちしております。




