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主人公にも安息を  作者: マト4
金策探索編
42/141

EXP.42 青月の咆哮 その2

耳元にノイズが走る。


「作戦名『青月の咆哮』開始します」


その一言で、僕達は二手に分かれた。



再び夜の森に足を踏み入れた僕達は、林の捜索を行っていた。


「寒っ……もう9時半かぁ……。いつもなら、もう仕事も終わってるのに……」


「文句を言うな、友達の頼みなんだろ?」


青ジャージの全開になったチャックを閉め、ブツブツと愚痴を零し始めたソーマにアカクラさんが説教を始める。


「それに……AIRAが禁句タブーを言った時に側に居たそうじゃないか?」


「え、何でそれを……」


「カレンからメールで報告された。ま、今回の頑張り次第では……聞かなかった事にしても良いよ」


「何でだろうー、急にやる気が出て来たなー」


なるほど、やる気のない人にはこういう手口でやる気を出させるのか……。今度教わろうかな……。


そんな事を考えながら歩いていると、[ハニーロック]の群れと鉢合わせ戦闘を開始した。



僕が背から剣を抜こうとすると、アカクラさんに止められ戸惑う僕にアカクラさんが、


「今回の俺達の任務はあくまで人探しだ、それに働きたい奴が居るみたいだしな。なあ? ソーマ」


「わかりましたよ……」


ソーマは右手をジーパンの腰に回すと、先に水色の刃が付いたダガーの様な白い柄を取り出す。


「スピアー 起動オン


その声に反応し、白い柄が直線上に伸びて槍と化す。


「来いよっ、虫けら共」


蟲の群れがソーマに襲いかかった。



ソーマは蟲達の攻撃を防いだり避けたりして、装甲の薄い背後に回って1匹ずつ倒していく。


そんな戦いを見つめていると、アカクラさんが口を開く。


「アレは『魔術武器アーツ』と言ってホワイトワールドが開発している技術で、物理耐性と魔法耐性が高い相手に対抗すべく作られたんだ。だが……製作費用の高さから一部の人間しか持てないんだ……」


そんな話を聞いていると、ソーマがかすり傷一つ無く蟲達を全滅させた。


「時間が掛かり過ぎだ」


「そんなキツイ事言わないでくださいよ」


アカクラさんがソーマに説教を始めようとした瞬間、爆発音が森に響き渡った……。



【カレン視点】


「AIRA、我儘を言ってアカクラを困らせるな」


「わかった……」


注意され、しゅんとするAIRA。


どうして私の妹はこんなにも可愛いんだ……。


抱き着きたい想いを精一杯抑えていると、目の前の茂みが揺れる。警戒心が高いAIRAが愛用の黒いシンプルなデザインの拳銃ハンドガンを即座に取り出す。


「はあ……あれ? カレンさん」


「り、林⁉︎」


「キキョウさん、目標を確認しました……。これより合流地点に向かいます……」


「了解」


AIRAがキキョウに報告するのを確認しながら、林に問いかける。


「無事で何よりだ。[ブルー・フルミネ]はどうした?」


「二人とも、とりあえず隠れましょう」


林の言葉に従い、AIRAを呼んで茂みに隠れる。すると、[ブルー・フルミネ]が青蛍の群れを引き連れて来る。


「マジか……」


私はつい、そんな事を呟いてしまった。


青蛍の群れが散っていく。つまり、先程の様に見つかる事が目に見えていた。


「どうしますか?」


林の問いに少し悩み、答える。


「先手必勝かな」


閃いた作戦を二人に伝え、AIRAを違う場所へ、林は近くの茂みに待機させる。そして私は、


光矢アロー起爆ボム


矢の色が深い青に変色していく。


蒼星矢バリスタ


それと、


増幅ブースト


の一言と共に矢の先端に、白く光るカーソルが出現する。


弓を引き絞り矢を放つと、炎の渦が巻き起こり……青い灯火を掻き消した……。




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