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主人公にも安息を  作者: マト4
金策探索編
39/141

EXP.39 日常とは、何かがあるから輝かしい

白銀の3連撃を受けた黒熊は、後ずさり始めた。


「カレン、今だ!」


僕は合図を出すと、背後に向かって走り出す。それを待ったかの様に蒼い矢が飛び、再び炎が吹き荒れる。


黒熊は所々から煙を出して倒れた。


…


「一時はどうなるかと思いましたよ……」


「そうだぞユウキ、林の言う通りだ。何故あんな無茶をしたんだ?」


「スキルを習得したので、ちょうど良い相手かな〜と思って……」


「無茶は良くないぞ、ユウキ君」


僕は先程の行動に対して、三人に注意されていた。


「皆んなもそろそろ夕食だろ? 続きは一度ログアウトしてからにしないか?」


カレンの意見に全員が賛成したので、自分達の国……ホワイトワールドに帰還した。


…


「お兄ちゃん、ご飯できたから早くして」


「わかったよ、恋華」


現実に戻ると扉の向こうから妹の早乙女(さおとめ) 恋華(れんか)の声がしたので、リビングに向かうと恋華が炒飯の乗った皿をテーブルに運んでいた。


「お母さん、今日は遅いって」


幸薄そうな綺麗な顔立ちに短く切り揃えた黒髪の少女。


「恋華……髪切ったの?」


「え、よ良く気づいたね」


「偶々だよ」


静かに食事を続け、


「ごちそうさまでした」


「え、もう良いの? あ、お風呂は?」


「今日はいいや」


僕は恋華に一言告げて、自分の部屋に篭った。


…


「それじゃ、そろそろ行きますか」


ログインすると、カレンとシアさんが準備をしていた。


「こんばんわ」


僕が二人に挨拶をしていると、ちょうど林がログインしたので準備が終わり次第、出発した。


…


月が照らす林の中を僕達三人は進んでいた。


「このゲームっていつ月とか出てるの?」


「あ〜それはね、このゲームは12時間で1日の計算で……今が午後6時半だから30分くらい前から夜になったんだ」


「なるほど……」


そんな会話をしていると、岩の間から[ハニーロック]の群れが居るのを見つけたので、僕達は茂みに隠れながら接近した。


「なんか、さっきから小さい青い光が見えるんだけど気のせい?」


フヨフヨと青い光が飛んでいるのだ。


「気のせいなんかじゃない。青蛍だ」


「なんですかそれ?」


「羽を物凄い速さで動かして静電気を起こす虫だ」


僕達がそんな会話をしていると、急に現れた[キラーベア]が北側の群れの一匹を仕留め、食事を始めた。


それを見て、蟲達が四方八方に別れて逃げていく。


だが、蟲達は僕達のいる南側では無く、黒熊を避けて北側に向かっている。


僕達に気づいているのかと思いながら南側を見ると、岩陰から青蛍の群れが飛んできた。だが、蟲達が逃げたのは青蛍の群れのせいじゃない事が見てわかる。


青蛍の群れの隙間から入った月光に照らされながら、白い獣が黒熊を見つめていた。




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