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主人公にも安息を  作者: マト4
金策探索編
37/141

EXP.37 蜜と熊とフラグ

剣を構えた僕と林、そして対峙する[ハニーロック]。


それは、分厚い殻で身を硬め4本の脚の先に鋭い爪を携えた、人よりひと回り大きい昆虫の様な見た目の生物だった。


「あまり知られてはいないが、その材質からドロップ品として、かなりの額で取引される。しかも、あの中には沢山の蜂蜜(養分)が詰まっている事から経験値も、無理して強敵を倒すよりも楽に儲けられる」


「へー」


通信システムによって、耳元に聞こえるカレンの説明に返答して標的に意識を向ける。


「ユウキさん、行きますよ」


「わかってるって」


僕と林は左右に分かれて、突撃した。



僕達は[ハニーロック]の脚と頭が非常に硬く、数体目なのに攻め込めずにいた。


光矢アロー


その一言と共に青白い光が蟲を背後から刺す、蟲は断末魔をあげて砕け散った。


「何回見ても、凄いですね」


「急所に当てればね。誘導が良いからだよ」


「シアさん、まだ近辺にいますか?」


三人になったので戦術を取る様にした今回は、僕と林が左右から迫り誘導、カレンが背後から狙撃という形で順調に狩りを進めていた。


「近くに一匹いるんだが……。大きさ的に[ハニーロック]じゃ無さそうだ」


シアさんの応答を聞いて、二人に提案をする。


「二人とも、ちょっと茂みに隠れよう」


無言で頷く二人と茂みに隠れると、丁度良く黒い獣が現れた。



カーソルで表示された名前は……[キラーベア]、如何にも人を殺しそうな赤い瞳を持った黒い獣だった。


熊は僕達に気付く素振りを全く見せず、蟲から飛び散った蜂蜜を舐め始めた。


それを見て林が、小声で提案する。


「気付かれてないようですし、今のうちにココを離れましょう」


「そうだな」


カレンが返答して、動き始める。


この時の僕は、一つの考えが脳内をループしていた。


それは…………、


「グルルルルル……」


その声にならない音を聞き、振り返ると[キラーベア]が今にも襲おうとしていた。


僕は、林の発言をこう思ったのだ。



フラグでは無いかと…………。


僕達は前を向くと、振り返る事なく、


「グルァアアアアアアアアア!」


全力で走った……。




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