EXP.34 縁は縁を呼ぶ
「申し遅れたな。私の名前は、カレンと言う。一様は上級プレイヤーだ、よろしく」
「「よろしくお願いします」」
「私は仕事がありますので、失礼します。カレン、後はお願いします」
そう言って、リンゴさんは奥に消えて行った。
…
「リンゴさんに頼まれたとはいえ、どうしてボク達の事助けてくれるんですか?」
リンゴさんが居なくなってから、林が質問を投げかける。
「お前ら面白いな、悪い事は言わない。人に頼れるなら頼っとけ」
「ですが……」
「ま、とりあえず……その借金を作ったって言うマスターさんに合わせてくれるかな?」
急な問いかけに僕は問い直す。
「なんで僕らのリーダーに会いたいんですか?」
「ちょっと聞きたい事があってね……」
僕と林は互いに顔を見て、首を傾げた。
…
僕らは、カレンさんを連れて宿屋に向かった。
「おかえり、ユウキ君、林君! それと……カレ……ン」
カレンさんはシアさんを見るなり、飛びついた。
「おふたりは、知り合いですか?」
「知り合いも何も、この人は元……んぐぅ……」
話していた口をシアさんに塞がれ、捥くカレンさん……そして、それを止める林。
よくよく考えたら、僕はシアさんの事をあまり知らない(人には言わせる癖に)気がする。
揉め事も治まってきたところで、僕はシアさんに事情を説明した。
…
説明を受けたシアさんがベッドに、カレンさんと林が椅子に座って話し合っている。
因みに僕は、座る場所がないのでギルさんの店にでも行ってようかと思ったのだが、「疲れているだろう? ならここで休んでおくべきだ」とシアさんに言われたので、ベッドの半分で身体を縮めて横になっている。
3人の会話の声が遠くなっていくのを感じながら、眠りにつこうとしたその時、
「私、このチームに入る!」
「え⁉︎」
突然、跳ね起きた僕に3人が驚く。
「今、勧誘してたんだから、そんなに驚く事ないだろう」
「上級者の方がいれば、心強いですし……」
「それとも、私がいると困る事でも?」
3人が順に意見を並べていく……。
「そんな話してたんですか⁉︎ 確かに心強いけど……あと、何も困りません!」
3人の意見に対して1人ずつ、顔を見て答え、僕はベッドから起き上がる。
「でも、カレンは『Seeker』所属じゃないか?」
「移籍するよ。こっちの方が楽しそうだし、何より仕事ないしね。それに、部隊長じゃなくてヤスイに頼めば、たぶん……問題なし」
「君がそう言うなら、構わないが……。君もヤスイもあまり変わらないね」
ふたりだけの昔話が始まろうとしたところで、僕は林を連れて部屋のドアノブに手を掛け、
「ギルドにいるので、ごゆっくり」
僕達は宿屋を後にした。
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