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主人公にも安息を  作者: マト4
金策探索編
35/141

EXP.35 縁は縁を呼ぶ その2

「そう言えば、林はどうしてこのゲームやってるの?」


僕達は宿屋を後にし、ギルド内の無数のテーブルの一つにて、お茶を飲んでいた。


「刃物に対して耐性が上がればと思って…………変わってませんが……。ユウキさんは、どうしてですか?」


「僕の場合、話すと長いけど良いの?」


僕の問いに頷く林を見ると、僕は静かに目を閉じながら語り始めた。


「僕にとっての、本当の春の訪れ……」



入学式の翌日、僕のクラスに転校生が来たんだ。


他の事はあんまり覚えてないけど、一つだけ鮮明に覚えてる。


清田きよだ しずくです。よろしくお願いします」


その彼女の声と容姿に、僕を含めた大半の男子の心を掴んだんだ。


そして、一週間で9人の戦士が儚く散ってったよ……。


それから……一、二週間後。


僕は友人である草磨に一つの情報を聞いたんだ。


「彼女はああ見えて、隠れオタクらしーんだが、DOAと言うVRMMOをやっているらしいぞ」


……


「だから僕は、このゲームをやっている!」


「……騙されただけでは……?」


「僕も最近そう思う……」


可哀想な子を見る目で見てくる林に賛同していると、背後から声が聞こえてきた。


「オレは嘘なんかついて無いぜ、ユウキ」


それは、よく聞いたことのある声だった……。



背後の席に座っていた青髮の男は、


「お前は、もしかして……草磨⁉︎」


「その通り、オレの名はソーマだ。ところで……そちらのお嬢さんは?」


草……ソーマが林について僕に尋ねる。


「林と申します。男です」


「これは失礼しました」


林の答えに透かさず謝罪するソーマ。今度は僕がソーマに問う。


「そっちの女の人は?」


「私の名前はAIRA……」


肩に届く程の銀髪の少女。


「AIRAさんはソーマの仲間なの?」


僕がソーマに質問を投げかけると、ソーマでは無くAIRAさんが口を開く。


「同じチームの部隊……。早乙女さおとめ鳴宮なるみやも、このゲームやってたんだね……」


「「え」」


何で僕の現実の名前を知ってるんだ⁉︎ 、しかも鳴宮って誰⁉︎ 。


僕と林は今の発言に困惑していた。



「AIRA、現実の名前は禁句だろうがっ」


「そうだったね……。でも、早乙女と鳴宮は早乙女と鳴宮だよ……」


「どうして僕を『ボクを』知ってるんですか⁉︎」


「だってこの四人は……同じクラスじゃない……」


まさかの真実、林がクラスメイトだったとは……。確かにアイラ何とかって言う名前の人がいた気がする……。


「私がわからないなら名乗ろう……。私の名前はアイラ・ホーネスト……」


「だからフルネームとか、言うなって言ってるだろっ。バレたらまた、アカクラさんに怒られるだろっ」


「確かにそれは嫌だね……」


「ごめんな、コイツ人見知りで知り合い少ないから、すぐに名前とか言っちゃうんだ。……ふたりとも大丈夫か?」


そのセリフから、僕と林はかなりショックを受けていたのだろう……。




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