EXP.28 咆える灼熱
状況は悪化しつつあった。
林に別れを告げ[バレット・ボール]を誘い走って逃げていたが運悪く、更に二体もエンカウントしてしまい、一人で3発の弾丸を相手にしている。
加速のバフが無かったら……既に死んでいただろう。
だがここで弾丸が思わぬ行動に出た。
3発の弾丸が螺旋状に転がる。
抜け出そうにも速度が速く、徐々に縮める螺旋からして攻撃を食らう事は明らかだ。
逃げ場を無くした僕は、どうする事も出来なかった。
3発の弾丸に潰される瞬間……。
「draw!」
僕は僅かな浮遊感の後、目の前に林がいた。
「どうして僕は……?」
「コレは『マグネット・ドロー』というアイテムで魔法石の一種なんですが、スペルを唱えると対象者を使用者の元までワープして引き寄せるんです」
その言葉を聞き林を見ると、左手に持っていた紫色の結晶が音も無く散った……。
獲物を仕留められず互いに激突した3発の弾丸はこちらに向かって突進した。
…
避けては逃げるの繰り返し。
三体を同時に相手するのは、今の僕らでは難しいという事で走って逃げていた。
「とりあえず、どんどん道を曲がろう。見失ってくれるかもしれない」
「わかりました」
走り続け、道が途絶えれば左右に分かれた道を進んで行く。が、
「ユウキさん、この先は行き止まりです!」
いつか見た光景の様に行き止まりに辿り着き、追い詰められた……。
だがその前に、急な言葉にブレーキを掛けられず僕は障害物に突っ込んだ。
…
「ユウキさん⁉︎ ふざけてる場合じゃないんですよ!」
「イテテ……。林、こっちだ!」
言葉と共に林の腕を引っ張る。
驚きの表情で林も壁に突っ込まなかった。
それは、鉄製の扉。
「え⁉︎」
扉を開き、林の腕を引っ張って鉄の階段を進む。閉ざされた扉から何かがぶつかる音がしたが、今は気にしない……。
「どうやらホログラムの壁があったらしくてさ……。運業も鬼畜だよな〜〜。ま、多分この先が5階層だ」
林は驚きで頷く事しか出来なかった。
…
階段を登りきると岩などが少ない気もしたが、先程までと同じ様な地面はあるものの、正面と両側の壁は上から火山が流れている。その上、無駄に広い……。
「まるでボス戦ですね……」
林の一言が原因だろう……。
正面の壁から今まで聞いた中で、最も大きな咆哮が響く。
これが、世で言うところの、『フラグ』というものだろう……。
僕がそんな事を考えていると、それは現れた……。
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