EXP.20 毒舌にご用心
「という訳で、今日はあまり稼げませんでした……」
「ふむ……話を聞く限り、最近の君は少し毒舌になってしまってるんじゃないかい?」
「毒舌?」
ベッドの上で腕を組み、目を瞑りながら頷くシアさん。それに疑いの眼差しを送る僕。
「君自身が周りのプレイヤーへの想いが溜まりに溜まって知らず知らず違う他人にぶつけてるんじゃないかい?」
この人、8割型は自分のせいだとわかっているのだろうか?。ちなみに、シアさんが8割型、林が1割型、残りはその他の皆さん。
「ま、君の意識の問題だと思うよ」
「確かにそうかもしれないですね」
「ま、儲けに関しては……次に期待しようかな」
「頑張ります……」
武装を解除すると、多少とは言え戦闘をした事による身体への疲労感が僕を襲う。今にも寝たいがベッドは占領されているので、仕方なく椅子に座る。
僕が睡魔に負けそうになった、次の瞬間。
「あ、そうだっ! 久しぶりに更新でもしようか?」
「は、はい⁉︎」
ー更新ー
【ユウキ】
Lv.5 無人 所持金 18000G
HP 840/840 MP 10/10
STR 11P(+5P)E
VIT 9P(+5P)E
AGI 19P(+5P)E
INT 5P(+5P)E
DEX 5P(+5P)E
武器
初心者用ナイフ
防具
初心者用防具
職人スキル
ー
戦闘スキル
ー
魔法スキル
ー
⇒
「相変わらず、敏捷の上がりが異常だね」
「最近は突進を軸に攻撃してるからですかね?」
「お、筋力はどうしたんだい?」
「……あ、『フレイム・リザード』の鱗が硬くて……ナイフで頑張ってるからですよ。たぶん」
その日は、僕の最近の思い出話で幕を閉じた。
…
いつもより早い時間に林と待ち合わせ場所に集合し、狩りに出た。今日、僕達は3階層まで行くつもりなので、時間を稼ぐ必要があるのだ。
2階層の中間ほどに到達したところで林に質問を投げかける。
「ところで、林は何でソロなの?」
「え」
「いや、林は凄いからさ……」
この言葉に偽りはない。
二重人格を踏まえた上でも、剣術や戦術の腕からすれば、パーティーに欲しい人は多いはずだ。
かといって、本人は僕みたいにソロがいいという訳でもない。
「それはですね〜……」
「言いづらかったら別にいいよ」
「そうですね、今度お話します」
「わかった」
その日は、別れまでこれ以上の会話は無かった。
…
「お疲れ様でした」
「お疲れ様、林っ今度の土曜日は空いてる?」
「……空いてますが」
「僕のチームリーダーに林の話をしたら会いたいって聞かなくてさ……。頼めるかな……」
「大丈夫です。ボクで良ければ」
「ありがとう」
「でも、明日は用事がありますので休みます」
「わかった」
別れを告げ、黒い渦に飛び込んだ。
…
「シアさんっ!、土曜日の10時から林に会える事になりました!」
「よくやった。ユウキ君!」
宿屋の一室で男女の談笑が続いた。
ご意見ご感想お待ちしております。




