EXP.2 運命の出会い
「「え」」
衝突して互いに後方へ倒れる。
「いった〜」と女性の様な声を漏らす相手に対して、「すいません」と言いながら素早く土下座の体勢を作って頭を下げる。
「そんなに謝らなくても、こちらも不注意だった訳だし」
「本当にすいません」僕は頭が上がらない。相手も口を閉じ、空気が沈黙する。
…………
「ねぇ!」
「ハ、ハイッ!!」
いきなりの呼びかけに過激に反応して顔を上げた僕は恥ずかしさの余り、赤面してしまう。
「もしかして、君はニュビーかい?」
「一様そうです……」
「意味ありげな言い方だね……」
僕自身、そう思う。
「じゃあ、謝罪を込めて私がいろいろ教えてあげよう」
「いや、良いですよ」
僕は手を前に出して拒む。
「君は人の親切心を踏みにじるんだね……」
彼女は、後ろを向きチラ見してくる。
…………
「……わかりましたよ、お願いします」
彼らは互いに思った。
(いろいろ教わっといた方が良いだろう)
(この子、素直だから頼めば何でもしてくれそうだな)
「僕の名前はユウキです、よろしくお願いします。え〜と……」
「私はシア、よろしくねユウキ!」
彼女は名乗ると手を差し出してきたので、僕は手を出し握手した。
「私がいつも使ってる宿屋の一室に行こうか」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「それじゃあ、ついてきて」
そう言うと彼女は歩き出す。
僕は返事をし、彼女の後を追って歩き出す。
歩き始めて、5分後ー
路地を抜けるとそこには、沢山のプレイヤーが行き交う大通りに出た。
「はぐれて迷子にならないでおくれよ」
「は、はい」
僕はついて行くので精一杯なのだが、
人の波を縫いながら、露店の商品をチェックして彼女は歩いている。
あっやばい、見失いそうだ……。
「よし、着いたぞ!」
彼女の声に反応し、人混みを抜けると宿屋にたどり着いていた。
よかった、見失わなくて済んだ。
などと、心を安堵させていた。
宿屋の扉の上には『安らぎの旅館』と書かれた看板が堂々と設置されている。
「それじゃあ、入ろうか」
「はい」
扉を開けると、とても暖かい光が僕達を迎えた。
店内は、入ってすぐにカウンターがありNPCが店番をしている。左を向くと無数のテーブルと椅子があり、奥に厨房があるという感じである。
ハっと気づき、彼女はすでにカウンターでチェックインを済ませ、鍵を受け取り階段の下で僕を待っていた。
「すいません」
「いやいや、見惚れるのも分かるよ」
いま言われて思い出したが、これはあくまでゲームなのだ。このクオリティは誰もが見惚れてしまうだろう。
「行くよ〜」
「はいっ」
我を取り戻し、階段を上がる。
彼女は鍵を使い25号室の扉を開くとそこには、ベッドとテーブルの側に椅子がひとつずつ置かれていた。
「ちょっと着替えるから、部屋の外で待っててくれ」
「え」
「ステータスの装備フィギュアをいじった後の着衣変更の数秒間は下着姿になってしまうんだ」
説明すると彼女は扉を閉めた。
5分後ー
扉が開かれるとフード付きのマントを装備していた人物は去っており、代わりに茶色の服に黒色のスカートを装備した、青い瞳の女の子がいた。
左右にお団子を作り束ねているがそれでも後ろに、まだ垂れている黒い髪を揺らしながら彼女は口を開け、
「どうかしたかい?」
きょとんとしながら質問してくる。
「いや、とても綺麗な人だったんでびっくりしただけです」
僕の返事を聞くと彼女は少し赤面しながら、部屋に入っていくので僕も部屋に入ったのだった。
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