EXP.16 仲間っていいな……
視界に宿屋の一室が現れる。
「ただいま、戻りました……」
「お帰りユウキ君、どうかしたかい?」
「僕ちょっと、ギルドで換金して来ます……」
彼女に一言残し宿屋の一室を後にする。
…
「僕って銀髪だったんですね……」
「お前……知らなかったのか?」
「……」
僕は今『Getting rich quick』のカウンターの椅子に座り、カウンターの向こう側に長身の大男=ギルさんに愚痴をこぼしている。
「知らなかったんですよっ!! なのに仲間にかっこつけたセリフ言っちゃたんですよっ!!」
「まあまあ、仕方ないな……。それより、仲間ができたのか?」
「あ、はい。少し前に騒動で助けた人と再会してパーティーになりました」
「良かったじゃねぇか」
「ありがとうございます。あ、鑑定お願いします」
ー少し前に遡るー
「女の子だと思ってました。マジすいませんっ!!」
いつも通り土下座をしながら謝罪。
最近コレやるのが当然の様になりつつあるのが怖い……。
「いえいえ、よく言われて慣れてるのでお構いなく」
「何か謝罪をさせてください」
「でも、助けて貰ってますし……おあいこという事で……」
罪悪感しかないはずなのに……思ってしまった事がある。
この人、天使だ………………。
「では、パーティーを組むのはどうでしょうか?」
「パーティー?」
「はい、互いに稼ぎが上がって恩返しも出来て一石二鳥じゃないですか?」
思考を働かせるまでもなく。
「お断りします」
「え」
「出来る限り、人と関わりたくないのとあえて空気を読まないので……」
頭を抱えて悩む林を見てると笑みが溢れてしまう。林は面白いし、稼ぎが上がればシアさんも喜ぶかな……。
「やっぱり、パーティーを組もう」
「え」
「でも、稼げなかったら諦めようね」
「はぁ……」
この時、林は思った。
彼は何にここまで、駆り立てられているのだろう……。
→
短剣を弾くほどの頑丈さを誇る鱗と燃え盛る焔を身に纏う大蜥蜴。それを狩るべく左右から、少年ふたりが走る。
僕の短剣が、大蜥蜴を捉えるが貫く事が出来ない。ダメージを受けながらも大蜥蜴はコチラに攻撃の体勢をとっている。だが、僕は囮。
本命は林の長刀で……
「って、鞘に納めたまま⁉︎」
だが、頭部を打たれ大蜥蜴は爆散する。
「モンスターには必ず弱点があります。『フレイム・リザード』は頭部に打撃を加えると大ダメージを与えられます」
「なるほど〜」
「このゲームは、いろいろ試すと面白い結果があるんです」
何でも試す事が大事なのか……。
「というか、この間の砥石を貸してよ」
「ダメですよっ! アレはかなり高いんですよっ!!」
「ケチだなぁ……」
(ま、僕のほうが金にはケチだろうけど)
「そんな、冷たい事いわないで貸してくださいよ〜」
「絶対にダメですっ!!」
僕は会話をしていて思う。
仲間っていいな……。
なんてね。
ご意見ご感想お待ちしております。




