EXP.126 OS合戦
【カレン視点】ギルド・地下一階
商店街。
本来であれば商人プレイヤー達が商品、装備・消費系のアイテムを冒険者に売って賑わっているはずの場所。
「クッソ、クソクソ。なんで効かないのよッ!」
「そんな事を私に言われても、困るのだが……」
今は戦場になっていた。
男の引き連れた紫や茶色を混ぜたような液体の群れが進み、通路に落ちている物や小さな店を呑み飲み込み消し去っていく。
「このままじゃ不味いな。茜、一先ず後退しよう」
「嫌よ」
「予想はしていたが、即答、とはな……」
弾が効かない敵に対して私達は中距離武器しか使えない。このままでは弾切れでやられる結末しか想像できない。
「いい加減理解しろヨォ、無駄だッてコトがァ、虫ケラでもそれッくらいの脳はあるだろォがヨォ……」
男が苛立ちを爆発させる寸前。周囲の商店で待ち伏せしていた冒険者プレイヤー達が男を包囲し、アタッカーやガンナー達が標準を男に合わせる。
「撃てーっ!!」
その号令に従って、全方位から一斉に放たれた銃弾や魔法スキルが男に降り注ぐ。
「第二陣、突撃っ!!」
硝煙が消える間も無く、男を包囲していた前衛プレイヤー達が走り出す。
「なァッ、聞いてんだろオゥがッ!!」
爆発した男の怒りに従って液体が炸裂して煙から飛び出てくる。
「タダでこんなに貰って悪いなァッ」
視界が晴れてきた先には、辺りに飛び散った液体と嗤う男以外に誰も居なかった。
…
【楓月 視点】ポイントF
なんだよ、この爺さん。化け物すぎんだろ!
「先程までの威勢は何処に行かれたのですかな?」
「うるせ、化け物じみた爺さんの相手してんだ、もっとお互いの事を想って優しくしてくれよ」
「ほっほっほっ、それは難しい相談ですな」
その会話を最後に剣撃の速度が増していく。
この爺さんの恐ろしいところは、熟練した「技術」だ。攻撃・強化のスキルを使わずにこれ程の強さ。もし、スキルを使ったらなんて恐ろしくて考えたくもねえ。ま、大体この手のタイプは使わねえんだけどな。
「かなり余裕があるようですな」
「そんな事ねえーーあっぶねーな」
やばかった、本当にやばかった。『疾風』使わなかったら本当にやばかった。
「またその奇術ですかな? ですが、仮想とはいえ、命のやり取りをしているのですから……もう少し集中して頂かなくては」
「その誘いが爺さんじゃなくて、女の子だったらOKするんだけどよ」
俺がLOSTしてでも、早く向こうのOSの能力を解明しないと……。
「次はこっちから行かせてもらうぜ、爺さん」
金属音を立て、火花を散らして、再び剣と刀がぶつかり合った。
毎回、不定期で申し訳ありません。
次回は早めに更新する予定です。
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