EXP.123 爆撃
だいぶ遅いですが、明けましておめでとうございます。
月一更新を頑張る予定なので
今年も何卒、よろしくお願いします
【タツキ視点】ポイントB
「ちょっとしつこすぎ、散弾」
前方の少年は建物から建物へ跳びながら牽制射撃を撃ってくる。風を踏み台にして飛び、球から身を躱す。
「あっぶねーな、落ちたらどうすんだ!?」
「落ちる以前に〜球に当たれば死ぬんじゃないっすかねー」
「そんな狙ってない球が当たるわけねぇだろうが」
俺は少しずつだが確実に距離を詰めている。こちらが上とはいえ実力差はそれ程ない。にも関わらず牽制するのみなのは腑に落ちない。
そんな事を俺が考えていると、少年が屋根から飛び降りる。
「とおっ!」
「あ、どこ行きやがる!?」
逃げる後を追うと蓋を破壊されたマンホールがあり、周囲を見渡してもそれらしき影はない。
「くそっ、なんでゲーム内に下水道とかあんだよ」
「なんでだろうねー?」
声のする穴のサイズは人がギリギリ通れるほどの為、飛翔を解除しなければならない。
「ちっ、どこ行きやがった……」
梯子を使って下りる。穴から射し込む日光を頼りに通路を見渡すが、追っていた人物は見当たらない。
「暗くて見えねえ……」
明かりに照らされてる場所に敵は見当たらず、闇の奥に逃げた可能性が高いが前方と後方のどちらかがわからない。
直感に任せて前方に行こうかと考えた頃、唯一の光源である日光に陰が重なる。
「それじゃあ、まったね〜」
追っていた少年が笑顔で手を振り、穴に蓋をしていく。置き土産として半透明な光る円柱が漂っている。
「ちっ、地雷かよ」
俺の足止めをする為に起爆を散弾と混ぜて蒔いてくとは、
「やはり、出来るな……」
注意深くを心掛けていたのだが……やはりどこかで慢心を抱いていたのかもしれない。
そんな反省を終えたところで本部への連絡が繋がらないことを確認する。
結論としては……敵を倒すにしろ、連絡するにしろ、リンゴちゃんに会いに行くにしろ、
「とりま、こっから出なきゃな……」
俺は独り言を口にしながら通路の前方に歩き始めた。
…
【ソーマ視点】ポイントA
振り下ろされた岩のような右拳を躱し突きを繰り出すが、相手の装甲を貫くことは出来ない。動きを止めたオレに向かって巨大な左拳が迫る。
「戦闘中に考え事をするな。慢心を突かれて負けるぞ」
オレと大海老の間に割って入ったアカクラさんが、両手の槌を交差させ拳を受け止めた。
「すいません、つい……」
オレがアカクラさんに謝ると同時に大海老の頭を光線が貫いていく。残光を目で追うとAIRAの狙撃銃から放たれたものらしい。
「ソーマ、集中力が欠けてる……」
「AIRAの言う通りだぞ。何か悩み事か?」
「悩み……とかじゃないんすけど、なんか……」
心配してくれる二人に申し訳ないが、この感覚をどう表現すればいいか分からない。
「うーん……謎? 疑問? じゃなくて」
「…………違和感……?」
「ん、おう、そんな感じ!」
オレの言葉(足らず)から考えを読み取るとは流石AIRAだ。
「それで、何に違和感を感じてるんだ?」
「いや、大したことじゃないんすけど……」
予めそれだけは伝え、違和感について考えをまとめながら二人に話す。
「敵さん、少数部隊みたいなもんなのに六ヶ所も門を空けんのおかしくないっすか?」
「確かに、高い戦闘力を持つ者が多く居るのにわざわざ散開して多方向から攻めるのは、戦術ミスとしか思えないな」
「一……二箇所に戦力を集中すれば十分に強い……」
二人もオレと同じ違和感を分かってくれたらしい。
「そう考えると本部を落とすことが目的じゃなさそうだな」
「なら何を……?」
「それが分かんねえ、んだよなー」
全員が頭を抱えギルド本部を眺めたそんな時、それは突如として訪れた。
背後から聞こえる爆発にも似た巨大な音が響き渡る。振り返ると細長い物体が頭上を越えて飛んでいく。
「マジかよ……」
そんな言葉を漏らしたのが自分だと気付く事にすら時間がかかる。
圧巻されるのも当然だろう。
先ほどの物体が本部を覆う防壁に触れ大爆発を起こしたのだから…………。
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