EXP.122 銃と風と雷と光
【グレン視点】ポイントB
「な〜いいだろ? またデートしようぜ、リンゴちゃん」
「あ、グレンさん次の曲がり角を右です」
「了解した」
指示を受けながら路地を走ること数分、少し距離を置いた場所に一体の大海老を発見する。
「ガン無視かー、俺泣くよ……いや、でも待てよ。リンゴちゃんに認識されないとかそれはそれで色々やり放題なのでは……」
大海老ですらこちらに気付き戦闘態勢をとっているというのに、うちの隊長は……。
「出来るわけないじゃないですか。はぁ……無視しても意味がないから嫌いなんです」
「え、リンゴちゃんが俺のこと意識してたなんて!」
「はぁ……もうどうでもいいので仕事してください」
不満気に剣を手にしたタツキと大海老が同時に駆け出す。
「援護する」
俺は構えていた突撃銃のトリガーを引く。大海老はその場で立ち止まり、腕を交差させて放たれた銃弾から身を守る。
「グレン、ナイス! 行くぜ、飛翔」
風を操り浮かんだタツキが大海老の削った両腕を切り落とし、頭に剣を突き刺した。
「よぉし、これで三匹目!」
「お疲れ様でした。グレンさん」
「ねーリンゴちゃん、俺には? 俺には?」
そんな気の抜ける二人の会話を聞いていると、背後から声がする。俺とタツキはその場から横に飛び、紫の閃光から身を躱す。
「あっれー、避けられちった」
「この距離で外すとは……な」
黒装束を身に纏う二人組。
ヘラヘラと感情のない笑顔を貼り付けているくすんだ金髪の少年。
もう一人も同じく金髪だが少年とは違い、光を反射させ神々しいとすら思わせる長髪の女性だ。
「私はあまり戦いを好まないのだが、通してはもらえないか?」
交渉を申し出る女に対する判断はタツキに任せ、少年に注意を向ける。
「あんた、なかなかの美女だが……。俺は豪華な花より健気な一輪の方が好きなんでね。敵を倒すよう頼まれている以上、あんたの要望は聞けねぇな!」
「……そちらは?」
「君に同意したいところだが……隊長の意思に従うのが部下の勤め、だろう?」
女はこちらの意思を聴き終えると一度うなずき左右の袖から棒を取り出す。棒を一つに繋げると笑顔で口を開く。
「ふっ、被害は極力抑えるよう言われてたが故に我慢してはいたんだが……そこまで威勢のいい啖呵を切った以上、責任はとってもらうぞ」
「悪いが俺は御免だぞ、タツキ」
「お前こういう時ばっかり俺をすぐ売るのやめろよな」
三人の笑みが消え、武器を構え直す。
「Loki、行け」
「ほい、跳躍」
「こちらの足止めは俺がする」
「わかってるって後は任せたぜ、グレン」
それだけ言い残すと少年を追い、飛び去って行くタツキ。それだけ見送り向き直ると相手も空に浮かび上がっていた。
「それでは、楽しませてもらおうか?」
「善処しよう」
「跳弾+起爆+散弾」
詠唱によって右手に光り輝く球が浮かび上がり巨大化していく、彼女が指を鳴らすと別個の光球が出現する。
『乱射撞球』
長杖で突かれた光球が巨大な塊に衝撃を与え、光球が雨のように弾けた。
お久しぶりです。
更新できずすいません。
来年からは更新できるはずですので何卒。
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