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主人公にも安息を  作者: マト4
BW乱戦編
118/141

EXP.118 二頭

【ーー視点】遠征艇内


薄暗い艦内、マップが表示されている液晶テーブルを囲む黒装束に身を包む集団。彼らは今回の遠征……ホワイトワールド侵攻隊の面々、その中でもテーブルに突っ伏している人物が一人。


「レーン隊長〜ゲートの設置が完了しました」


遠征艇の操縦者である茶髪の青年ーーヒロトに名を呼ばれ上体を起こす水色の髪を短く切り揃えた女性、侵攻隊の隊長を務めるレーンさん。


「そう、それで……カルヴァはどうしたの?」


「えっとアイツは……ロブラスタ隊に混じって行っちゃいました」


「また、なの……。もう、報告書を作成する立場にもなって欲しい」


「彼らしいではないですか」


頭を抱えるレーンさんを白髪の似合う少し老け顔の男性ーー佐々木さんが薄く笑みを浮かべながら宥めている。


「ん、どうした? レーンに惚れてるのか?」


隣の座席から俺に声を掛けてくるのは金髪を腰まで伸ばした女性ーーエンプレスさん改め、師匠が揶揄ってくるので席を立つ。


「そろそろ行ってもいいですか?」


「まあ、待て!」


耳元で良く通る大声を放ち俺の肩を掴む赤髪の大男、


「耳元で大声出すなって……言ってるだろ、レイド」


「隊長殿にはお考えあっての事だろう……オレとお前の初陣だ、そう焦るな」


これが歳の……とはいえレイドとの実年齢は二、三歳しか変わらないのだが社会人と学生の差だと思うことにしよう。


「確かにそろそろ……散開も出来たし行ってもいいよ」


「だそうですよ、師匠」


「なら行くか……でも今回お前は見学みたいなもんだからな」


特訓はスパルタなのにどこか甘い師匠と共に開かれたゲートの前に立つ。


「どうした? 珍しく緊張しているのか?」


「いえ、そんな……楽しみなだけですよ」


「そうか……ま、ワタシと一緒にいる限りはお前をLOSTさせないさ。Loki」


師匠に笑顔で後頭部を叩かれ気持ちを切り替える。ゲートに足を踏み入れながら背後に手を振った。


「それじゃ、おっ先〜」



【シア視点】ギルド最上階


「どうやら六ヶ所から三体ずつ程……魔装衣アーマード持ちが現れたようだね」


大画面ビジョンに表示される味方や敵のアイコンを眺めながら話を振ってくるヤスイ。


「私は何もしないって言ったからな」


「少し話を振っただけでそんなに睨まなくてもいいんじゃないかい? それよりも……」


ヤスイが窓に近付き空を見上げて呟く。


「あの船を何とかしたいものだね」


ヤスイの言う船とは、ホワイトワールドの上空を周回する敵の遠征艇の事である。


「そーかい」


「冷たいな〜僕にだけ厳しすぎやしないかい?」


「そんな事……ないさっ」


「今の間は何だったのか聞きたいんだが……」


顔を背けてはいるが話に乗ってやってるのに(棒読み且つ相槌のみだが)何が不満なんだこの男は……。


そんな私にヤスイが呆れて溜息を吐き始めた頃、部屋の大扉が左右に分かれ一人の人物が現れる。

自分より少し身長が高くサテライトのイメージカラーである白に染まったギルド制服を着た少女。彼女が自身の被っている紺色のキャスケットを取り頭を下げると、帽子に収まっていた腰にまで届く黄蘗色の髪が煌びやかに落ちていく。


「お久しぶりです……ヤスイさん、それからシアさん」


「スノー! 元気にしてた?」


二人に笑顔で挨拶する柔らかな雰囲気の美少女ーースノードロップ。彼女は『防衛都市サテライト』の領主マスターを務めており、サテライト創設前からの付き合いである。


「あれ、今日は護衛の彼女はいないのかい?」


「あ、彼女は今リアルで出張中でして……」


「彼女も忙しいという事だよ、シア。スノー君、挨拶に来たところ悪いんだが……椅子に腰掛けて待っててくれないか」


会釈で返し椅子に座るスノーを確認すると、ヤスイは再び窓の外を眺め始めた。

来週の更新は難しいかもです。


最善を尽くす所存ですが……。





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