EXP.109 決着
【カレン視点】
胸に十字の傷が刻まれ膝をつき俯く人狼、それを見て安堵するソーマ。
「ソーマ、気を抜くな!」
「え」
ソーマの惚けた声と同時に人狼が頭を上げる。口が開かれた状態で。
「ー_ ̄_ーー ̄ー__ ̄_ー ̄ーッ!!」
身動きが取れない状態のソーマに振り抜かれた左腕が直撃し吹き飛ばされる。
「大丈夫か、ソーマ!?」
「大分持ってかれましたが大丈夫っす」
頭を抑えながら壁から身体を起こすソーマ、このままじゃジリ貧で全滅してしまう。
この状況を覆す方法を考えていると背後から声がする。
「ボクが前に出るのでカレンさんは下がってください」
林が参戦するという事は……。
自然的に振り返ろうとした私を狙い人狼の腕が薙がれ私を庇った林が吹き飛ばされ、人狼が次の標的を私に定め振り下ろされる腕。
「しまっ……!?」
「飛翔、鎖状」
を何処からともなく飛んできた鎖が腕に巻きつき、引き留められていく。
「カレン、早く」
「すまない、AIRAそれと」
鎖を掴み引いているAIRAと、
「_ユウキ」
潰された筈の右腕が治ったユウキが立っていた。
…
【ユウキ視点】
「カレン、下がって援護。林、ソーマ動ける?」
「まだ動けます」
「おうよ! 飛翔」
風を使ったソーマが空中を飛び回り人狼を翻弄する。その隙に陣形を組み直し、攻撃を開始する。
「林は二人を守って。カレン!」
僕の掛け声に合わせて既に完成された蒼星矢が放たれ人狼を炎が包む。
「飛翔、いくよソーマ」
「任せとけ!」
炎が消えると同時に空中を舞う僕とソーマが人狼を切りつけていく。人狼もただやられる訳もなく腕を振り回すが、鉛で動きが鈍くなった今では大分避けやすくなっている。
遂に限界に達したのか人狼は息を吸い口を閉じる。
「また、さっきのか!?」
ソーマの脳裏に過ぎったのは恐らく咆哮の事だろう。そんなソーマの予想通り次の瞬間には口を開く人狼。
「ギィルァアアアアアアッ!」
咆哮というよりも悲鳴に近い鳴き声が洞窟内に響く、見ると人狼の左目に
銃弾が撃ち込まれておりそれを左腕で抑えている。
「……着弾確認……」
よし、今だ!
剣を逆手に握り直し合図を出す。
「カレン、ソーマ!」
「光矢+起爆」
「おうよ、飛翔」
『蒼星矢』
『烈空』
炎が飲み込み消える時にはソーマの槍が斬撃を撃ち込む。多大なダメージを負った人狼の膝が折れ地に着く。
「飛翔」
その隙を逃さず攻撃を仕掛けるが、人狼もまだ動かせる右手に持たれた大骨で近付けまいとする。
死角であろう左側から近づく僕、それを防ごうと人狼は体を捻り大骨を横に薙ぐ。
「林!」
「はい!」
それを大盾で受け止める林、この一瞬に身体を張った彼に報いる為に僕は剣を突き刺した。
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