EXP.108 増援
悲鳴が木霊す洞窟内、
「僕の方が一枚上手でしたね」
「ー_餓鬼が ̄ーッ!」
目元に銃弾を撃ち込まれた人狼が両手で目を押さえながら倒れる。
「……着弾確認、ごめんズレた……」
「惜しかったな……まあ、良いか。大丈夫かユウキ、助けに来てやったぞ!」
通路から『Seeker』の赤い隊服に身を包んだ二人の男女、槍を構えたソーマと狙撃銃のスコープを覗くAIRAが現れた。
「群れが来てて時間がないっす、急いでください!」
「ソーマとAIRAは通路の確保を、私がユウキを運ぶ。林はカバー」
「「「了解」」」
ソーマの現状報告を受けカレンが指揮を執り、撤退を試みる。
…
行き止まりの大フロアに出た僕達、
「い、行き止まり……」
「カレン、籠城で時間稼いで」
「わかった」
カレンに寝かせて貰い指揮を任せる。
「AIRA私の双剣、林はユウキの治療頼んだ。ソーマ行くぞ」
「了解っす」
AIRAから漆黒の双剣を受け取ったカレンがソーマを連れて防衛を開始し僕は林に右腕を治療してもらう。
「さお……ユウキ……」
「何AIRA?」
AIRAが僕の元に駆け寄りメニューを操作する。すると、僕の視界にトレードウインドウが現れる。
「これ、頼まれた……」
…
【カレン視点】
流石は中型モンスター無力化するだけでも大変だ……しかも数十体いるし。
愚痴りたいのを我慢して戦闘に集中する。槍を構えたソーマが飛翔で錯乱しながら目を潰しその個体を私が無力化していく。
AIRAは非常時に備え後方で待機、ユウキは重傷、林はその治療。複数体いようとも通路前で陣取っている為まだ勝てているが、さっきのボス格が来たら間違いなく私達は全滅だ。
私がそんな事を考えていると人狼の群れが引いていく。
「懲りたみたいっすね、今の内に逃げましょうよ」
「いや、諦めて引いたんじゃない。奴が来たんだ」
ボス格が通路を進んで来る。
私は双剣を放り弓を構え詠唱を開始する。
「光矢+重力、増幅」
放たれた二本の矢が人狼の足に刺さり黒い重石を付属する。
「ソーマ後退だ、AIRA援護頼む」
「「了解」」
人狼が通路を抜けた瞬間にAIRAの二丁の拳銃が火を吹く、重力の弾の一つ一つが人狼に触れると同時に重石を追加していく。
しかし速度が下がっただけで歩みが止まることはない。
「ソーマ、やれ」
『裂空』
槍の矛先から放たれた十字の斬撃が人狼の胸を切り裂いた。
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