EXP.107 略奪者
こんばんわ、こんにちは?
それとも、おはようございます。でしょうか?
まあ、ふざけるのはこの辺で辞めます。
今回のお話は少し重かったり残虐なシーンがあるので苦手な方はお控え下さい。
それではどうぞ!
ここまでとは……まずい、早く逃げなきゃいけないのに立ち上がれない。
立ち上がるどころか腕すら上げられずに倒れる僕。
林は気を失ったんじゃなくて身体が動かなかったのか……。
よく見ると僕のHPバーは五分の一も残っていない。あの一撃で生きていた自分を心から褒めてやりたい。
林がなんとか立とうとしているが、どうしたものか……カレンは尻尾だった為か余りダメージは無いようだ。
思考を巡らせようとした所で頭上から唸り声が聞こえてくる。力を振り絞り見上げると人狼が大骨を振り上げていた。
せっかく取ったアイテムも持ち帰れないし更新もしてないから経験値が消えちゃうな…………せめて二人は逃がしたいけど身体が言うことを聞かない。
目を瞑る。
振り下ろされる瞬間を待っていると、ゴッという音と共に右腕に鈍い痛みが走る。
目を開くとそこは部屋などでは無く同じ場所、そして人狼が見下しながら口を開く。
「ー ̄_よお_久しぶりだな ̄_」
音の小さなノイズ混じりのその声は聞き取り辛く、誰かすら把握する事も難しい。はずなのに……。
「ー父親の真似事か_優希ー ̄」
それなのに……名前も知らない男の顔が浮かび上がる。
「 ̄見回りしてたらー光ってる奴が_ ̄ー居るから追いかけてみればーーお前とは_ ̄嬉しいもんだー」
下卑た笑みを浮かべているだろう男をこの拳でぶん殴ってやりたい。
「ーーまあ_分かってるとは思うが ̄ーそのアバター_ ̄寄越せー_」
「無理だね、お前らみたいなクズにやる物なんか微塵も無い」
「そうかーー分かってはいたが ̄_交渉決裂か ̄ ̄父親と同じとはー_ ̄残念だ_ ̄_」
溜息を吐くような声を漏らす人狼、痛みに慣れてきたし身体もそろそろ動く。
「ーー会話する為に_ ̄弱めていたが_痛覚エンジンをー ̄戻してやろう_ ̄ー」
その瞬間、痛みが押し寄せた。
…
「アァアああぁあっ!!!」
そうか痛そういう事か痛通常なら人狼に痛吹き飛ばされ痛たぐらいで痛動けな痛くなる訳が痛無い。
再び振り上げられる大骨、それにすら意識を向ける余裕が無い程に激痛が僕を襲う。
「 ̄ー殺した後にーーそのアバターは頂こう_ ̄じゃあなー ̄ー」
殺されたら、本当に死ぬわけじゃない。だが、死ぬ程の痛みを。受けた際……脳が「死んだ」と判断した瞬間、身体の全ての機能が失われる。そうなれば現実での死を意味する。
人狼の手に握られた大骨が僕の胴体目掛けて振り下ろされる。
たった一つの悲鳴が響いた……。
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