EXP.103 人狼の群れ
森の最深部、『黒き洞窟』の入り口に到着した僕達。
「仕方ない……本当に諦めるから縄解いて」
「中に入ったら解いてあげますから」
ため息交じりの僕の言葉をあっさり笑顔で断る林。
「ドンマイ、ユウキ」
僕を引きずりながら慰めてくれるカレンが妙に優しく感じた。
…
洞窟というと『ホムラ山塔』を思い出すのだが……水滴が落ちる音が響く暗闇の中、明かりは紫色の鉱石から漏れる淡い光のみで殆ど見えない。
しばらく天井を眺めていると僕らの進行方向? から何人かが入り口に向かって走っていく。
羨ましいな、と思っていると獣の唸り声が聞こえてくる……あれ? なんか嫌な予感がする。
体を精一杯動かすも見える景色は変わらない。
「すいません、ユウキさん」
僕の不安を煽るように林が申し訳なさそうに言葉を紡ぐ。
モンスターと遭遇した訳じゃ無いよね、そうだと言ってくれ。
「_トレインされました」
…
「ぎゃあああああっ!?」
早速逃げようと入り口に走った二人だが、タイミング悪く外にいた[ブラック・ヴィルコラク]が戻って来てしまい別ルートに逃げている訳だが……。
追いかけてくる人狼全てが僕を狙ってくるのである。
「何の嫌がらせなの!? トラウマ克服どころか悪化してるよ!!」
「本当にすいません!!」
爪が地面を割き吠える獣が眼前に迫る。これをトラウマにならない人はいないだろう……。
と此処で脇道から現れた人狼の爪がカレンを狙う。
「カレンっ!」
カレンは回避行動を取り、人狼の爪がロープを切断する。
……
あっという間に僕(拘束状態)を包囲する人狼の皆さん。
なんだか落ち着いて来たな……。
無理とわかっていても試してみるか、と僕は即席の悪足掻きを決行した。
「見逃してもらえませんか?」
『グァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』
通じないであろう僕の台詞を聞くなり人狼達は咆哮を上げ一斉に爪を振り下ろした。
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