EXP.101 林檎クエスト
晩餐は続き、二次会が始まる手前で僕と林はギルドを抜け出し夜の町を探検していた。
「ユウキさん、ありがとうございました」
「いやいや気にしなくて良いよ」
さっき見捨てたし……。
「それで……この後はどうしましょうか?」
「そうなんだよね、特に用も無いし……」
何をしようかと思案に耽ようとしていたところで角から見知った赤毛の人が現れ、目が合う。
「あら、ユウキさんと林さん」
「林、早く逃げよう!」
「え、どうかしたんですか!?」
素早く林の腕を引き背後に走り出す。
が、がっしりと肩が掴まれていた。
……
「何処に行くんですか、ユウキさん?」
振り向くと、笑顔の悪魔がいた。
…
翌日の昼頃、
「頭が……」
「大丈夫ですか? お水です」
「あ、ありがとう……」
ギルドのテーブルにて頭を抑えながら手渡された水を飲むシアさん。
昨夜は五次会まで呑んでいたというシアさんは当然と言えば当然だが二日酔いに悩まされていた。
「大丈夫ですか? カレンと林が来たら出発するんですからよろしくお願いしますよ」
「わかってるけれど……頭が……」
「おはよう! ってあれ、ユウキとシアだけ?」
噂をしていると丁度入り口からカレンがやって来る。
「辞めてカレン……頭に響くから……」
「二日酔いか、シア?」
「嗚呼、頭が……!!」
頭を抱えながら叫ぶシアさんに追い討ちをかけて遊ぶカレン、を止めていると林が小走りでやって来る。
「お待たせしました……」
「全員揃ったみたいだし……それじゃあ話を始めます」
ぐったりしたシアさんは放って置き、カレンに本日の予定を説明する。
「今日はダンジョンに行_」
「無理」
「否定するの早くない?」
言い終わる前に言ったよ、この人。
「なんで行きたくないの?」
「ダンジョンに行くと必ずと言って良いほどアイツが現れるからな」
誰の事言ってるんだろ?
「お願いします、カレンさん」
「リンゴさんの頼みなんですよ」
「リンゴの? でもな〜……」
僕と林はなんとかカレンを説得し旅立った。
…
場所は変わり、とある森林。
「ここって初心者向けのステージだったよな?」
カレンの問いに頷き辺りを見回す。
久しぶりに見る景色、始めてこのゲームをプレイした日の思い出。
「追いかけ回された思い出しかないなぁ……」
空を見上げて哀愁を漂わせていると林が首を傾げながら問いを投げかけてくる。
「ユウキさん、大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫だよ、ちょっとトラウマが蘇っただけだから……」
「それって十分問題なんじゃ……」
確かに、と思う自分がいた。
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