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5分経過。
未だ機械は動かない。
あの子たちが身を挺して与えたダメージが深刻なのだろう。
女神を降臨させるには絶好の機会だ。
「女神様、私の体をお貸しいたします。だから、アレを壊してくださいませ」
『その願い、聞きいれよう』
声がした。
温かい陽の光のような気配がした。
*
「私の愛しい子よ、母が来ましたよ」
『黙れっ!!!』
「動けないでしょう?苦しいでしょう?私が解き放ってあげます」
『くそっ!動け!動け!!ネレウス起きろ!目を覚ますんだ!!』
『何が起きた?』
『避けろ!』
寝起きで重い体を動かし、紙一重で避ける。
地面には大穴が空いていて殺す気満々の一撃であることが見てとれた。
『おい、テュポン。アレは何だ』
『俺の母だよ…』
『じゃあぶっ殺す』
「海の子、あなたはなぜそこにいるの?」
『海の子?』
『ネレウスのことだ』
「私の子から離れてちょうだい」
金色の瞳がこちらを捉える。
体の毛が逆立ち、命令に従おうと体が動きかける。
『ネレウス、自爆装置を起動させろ』
『わかった』
悩むことなく承諾したネレウスをテュポンが笑う。
『それでこそお前だ』
『ギリギリまで付き合ってやる』
『それはありがたいことだ』
「なぜ、その子とばかり話しているの?だからあなたは弱いのよ」
『黙れ』
「その子をあなたの手で殺したら家に帰ることを許しましょう」
『死んでも嫌だね』
「では、死になさい」
攻撃をひたすら避け続ける。
「あなたはどうしていつもひとりでいることを嫌がるの?」
『ひとりでいるのが嫌なんじゃない、手前のとこにいるのが嫌なんだ!』
「…やっぱりあの女の娘に何かを吹き込まれたのね」
母の顔は女の顔になった。
『ネレウス、出ろ』
起爆まで時間がない。
『できたらそうしてるさ』
「その拘束具、私の力が宿っているもの。操るのなんて簡単にできるに決まっているじゃない。寝起きだから頭も回っていないのかしら?」
『僕は頭を動かすのが得意じゃないんだ』
ネレウスはそういって女神を宿したカリスタを吹き飛ばす。
爆風の中から金色の瞳が光る。
攻撃を間一髪で躱す。
あと15秒。
『まだ?』
『あともう少し』
拘束の解除を急ぐ。
10秒。
攻撃の手は止まない。
3秒。
2秒。
1秒。
コックピットが射出される。
機体は白く光り――――爆ぜた。




