↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アビリティワールド-ABILITY WORLD-  作者: イズミ
第2章 炎天下の熱闘
98/215

14.試験に向けて⑤ スラッシュフォーム

「“エアロブースト”!」

「穿て、“サンダーアロー”!」


 師匠の“雷乱舞”の術が発動した瞬間、俺は速攻の全力“エアロブースト”で師匠に真っ直ぐ突っ込んでいき、晃太は省略詠唱で“サンダーアロー”を放ち俺の援護に回る。

 “雷乱舞”はその名の通り、使用者の周囲に次々と雷を落としていく術で、広範囲且つたくさんの落雷が襲ってくるので発動されたらとても厄介な術だ。


「やっぱり南はそう来るよな」


 師匠は俺の動きを予測していたのか、特に驚く様子もなく反撃体勢に入る。


「“メテオスマッシュ”!」


 俺は、そのまま真っ直ぐに師匠に向かっていき、“メテオスマッシュ”を放った。


「なっ……!」


 地面に向かって。

 師匠の驚く顔をよそに、俺は“メテオスマッシュ”を地面に叩きつけた衝撃で、強引に“エアロブースト”の軌道を上へと反らして師匠の上を取る。

 “エアロブースト”の軌道は真っ直ぐにしか行かないことを師匠はよく知っていたので、そのまま突っ込んでくると思ったのだろう。

 師匠が俺の行動に一瞬呆気に取られていると、すぐさま晃太の放った“サンダーアロー”が師匠に向かっていく。

 晃太が“サンダーアロー”を放った理由としては、俺の援護というのもあるだろうが、晃太には俺のように高速で移動できる手段がなく“雷乱舞”を確実に避ける手段がない。

 だから、自らも雷属性の魔力を纏うことで少しでも“雷乱舞”に当たった時のダメージを軽減しようという魂胆あるのだろう。

 こういうときはあいつ頭回るからな。


「くっ!」


 反応が遅れた師匠は“サンダーアロー”を咄嗟に体を捻って避ける。


「“メテオストライク”!」


 そして、師匠が“サンダーアロー”を避けたその一瞬の隙をついて、俺は上空から思いきり“メテオストライク”を踵落としのように降り下ろした。


「ぐおっ!」


 “メテオストライク”は見事に師匠にクリーンヒットし、初めて師匠にダメージを与えた……と思った。


 ―――ボンッ!


 “メテオストライク”が当たった瞬間、師匠の体は煙とともに消え去り、俺は勢いそのままに床に踵落としをぶちかます。

 確かにダメージを与えた感触はあった。

 だが、この感じは……。


「今のは悪くなかったぜ」


 上空から聞こえる師匠の声。


「ちっ……!」

 上を見上げると、そこには天井に張り付くように立っている師匠の姿があった。


「“影分身”……!」


 忍者の定番、“影分身”の術。

 自らの分身を作り出す術で、ダメージが入ると分身は消えるのだが、その実力は本体に近いもので、これまた厄介な術である。


「いつの間に……」

「さっきちょちょいとな。それより、そんなところに突っ立ってていいのか? まだ俺の術は続いているぞ?」

「がっ!?」

「晃太!」


 師匠が余裕そうな表情で俺に語りかけてくると、背後から晃太の声が響いてくる。

 どうやら、“雷乱舞”に命中したらしく、全身に電気が迸っているのが確認できる。

 だが、雷属性の魔力を纏っていたおかげか、思ったよりダメージが入っていないようでピンピンとしていた。


「さすがにダンジョンに潜ってるだけあるのか、2人とも動きが中学の時と比べると段違いに良くなってきてるな。実戦的な動きになってる」


 天井から落下するように落ちながらも華麗に着地を決める師匠。


「ま、冒険者なってから3ヶ月以上経ってるし」

「そうだな、3ヶ月もあれば研修期間も終わるもんな」

「……バイトみたいに言うんじゃねえよ」

「……まあとりあえずだ、実戦的な動きになってるとは言ったがまだまだ動きが荒い。そんなんじゃ昇級できてもすぐに足元救われんぞ」

「……それを言うのはまだ早いぜ師匠! まだ決着は着いてないからな! “形態変化(フォームスイッチ)”! スラッシュフォーム!」


 晃太は右手でSギアスイッチに触れ、“形態変化(フォームスイッチ)”を発動させる。

 すると、晃太の身軽な強化装甲が、全身に鎧のように、尚且つ動きやすそうな紫色の装甲へと変化していき、右手には一筋の太刀を握り、左の後ろ腰にはダガーナイフが鞘に納められている。

 晃太の“変身(チェンジ)”の3形態の3つ目。

 ウォーリアフォーム、ブラスターフォームに次ぐスラッシュフォームである。

 スラッシュフォームは、その名と見た目通り、斬撃攻撃に特価したフォームで、一番攻撃力のあるフォームである。

 そして、ブラスターフォーム同様にオートスキルが発動する。

 スキル名は〈剣士(フェンサー)〉。

 斬撃系の威力と速度上昇、そして詠唱を必要としないスキルである。


「“ファイアスラッシュ”!」


 “形態変化(フォームスイッチ)”して早々に晃太は攻撃を仕掛ける。

 晃太が太刀を振るって放った炎属性の斬撃は、師匠に向かって一直線に向かっていく。


「……ったく、雷遁、“雷空刃”!」


 師匠は“ファイアスラッシュ”に対して“雷空刃”をぶつけて、相殺させる。


「ほお、今までは“雷空刃”を打ち消すことも出来なかったのに相殺するぐらいまで威力が上がったか……」

「まだまだ行くぜ、“ブレイドボルト”!」

「土遁、“土城壁”!」


 “ブレイドボルト”は触れた相手を感電させる追加効果を持つ雷属性の攻撃魔法である。

 そのため、触れることを嫌った師匠はしっかりと“土城壁”でガードし、晃太との距離を取る。


 ……ハバネロ、見てるか?

(ああ、さっきから見ていたぞ)


 俺は晃太が師匠とやりあっている隙に、マナクリスタルを通してハバネロに話しかける。


 あれやるぞ。

(ふむ……わかった。では私の波動を送るぞ)


 ハバネロは俺の意図をすぐに理解したのか、そう言ってマナクリスタルを解して俺に波動を送りこんでくる。

 すると、俺の波動とハバネロ波動が混じりあい、体中に痛みとフォースが溢れてくる。


「〈クロス・バースト〉!」


 そして、全身に血管のように紅蓮のフォースが駆け巡るさらなる強化状態、〈クロス・バースト〉を発動させた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。