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アビリティワールド-ABILITY WORLD-  作者: イズミ
第1章 出逢いと始まり ―動き出す物語―
34/215

5.初クエスト! ビッグマウスを討伐せよ!③

▷▷


 一方その頃、ビッグマウスの巣の中に突入していった賢也は、奥へとどんどん進んでいっていた。

 先程の爆弾による奇襲で、ビッグマウスたちはほとんど外へ出ていったのか、巣の中はがらんとしている。


 ―――この先か。


 巣の中は、迷路のように入り組んでいて普通なら迷いそうなところであるが、賢也は巣の奥から感じる気配を辿りながら音をたてずに真っ直ぐと進んでいく。


「あそこか」


 すると、一番奥のところに広がった空間があり、そこにはビッグマウスが数匹と一際サイズの大きいビッグマウスの群れのボス、ジャイアントマウスが待ち構えていた。

 賢也はそこまでたどり着くと、ビッグマウスが攻撃体勢に入る前に懐からクナイを取り出してそれをビッグマウスのエナジーコア目掛けて放つ。


「ジャ!?」


 投げたクナイは全て命中し、ビッグマウスたちは消滅していく。


「よう、一気に片付けさせてもらったぜ。ジャイアントマウス」


「ジャアアア……!」


 気性の激しいビッグマウスとは違い、落ち着いた雰囲気を醸し出しているジャイアントマウス。

 しかし、仲間を一瞬で倒されたことによって、怒りの目付きで賢也を睨み付ける。


「そんな怒んなって。言っとくけど、人様の土地を荒らしたお前らが悪―――」


「グジャアアアアア!!!」


 賢也が悠長にジャイアントマウスに話しかけていると、痺れを切らしたジャイアントマウスが前歯を使って攻撃を仕掛けてきた。


「―――っぶねえ……人の話は最後まで聞くもんだぜ……っと!」


 賢也は攻撃を後ろにバックして避けると、一瞬で手裏剣を両手からジャイアントマウスに投げる。

 手裏剣はジャイアントマウスの身体に刺さり、ジャイアントマウスは呻き声を上げた。


「悪いが、これで終わりだ」


 賢也はジャイアントマウスが怯んでいるうちに、火遁(かとん)の印を結ぶ。


「火遁“火吹(ひぶき)”」


 そして、口から炎を勢いよく吹き出し、ジャイアントマウスを燃やしていく。


「ジャグウウウ……!」


 ジャイアントマウスはエナジーコアを破壊されないように必死にガードする。そして、


「ッジャラア!!」


 足と尻尾を使って地面の砂を思いきり巻き上げた。


「ぐっ……!」


 巻き上げられた砂は、賢也に向かっていき、顔面に大量の砂がかかる。

 目に砂が入り、賢也が怯んでいる隙に、ジャイアントマウスは一瞬で地面に穴を掘り、地面の中へと消えていった。


「くそ、やられたな…」


 目の砂を擦って取った後、ジャイアントマウスが掘った穴を見てぼそっと呟く賢也。


「とりあえず、さっさと追わないと…」


 ―――もし、あのジャイアントマウスが人里に降りていったら大変なことになるな。


 最悪のパターンだけは回避しなくてはいけないと、急いでジャイアントマウスの後を追いかけ始めた。


「……少し油断しちまったか」

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