スライム?ニンゲン?
はやくニンゲンになりたい!
すみません、嘘です。
ならないです、多分…
ちょいグロかも
「お前が殊勲みたいだし、コアと人間のアタマはお前のモンだ。皆、文句はねえな?」
メタルスライムのメタンは取り仕切っているような雰囲気を出しているが、ミルンさんと俺以外、だれも聞いていない。
イムオとバブルスライムはおしくらまんじゅうをして「きゃっきゃ」しており、ホイミスライムは浮かびながら目を閉じて寝ている。
「まあ、俺一人じゃ何もできなかったし、メタンさんの助けが無ければ皆やられていました。コアはみんなで分けて、人間の頭だけは頂戴します」
「ああ、お前がそう決めたんなら文句はねえ。で、あっしもコアを貰ってもいいのかい?」
そんな感じで皆で食事会が始まりました。
…
何故だ。
あの時の俺は何故「人間の頭が欲しい」などと言ったのだ。
…
スライムの食事は、体のどこからでも出来る。
接触していれば、草でも苔でも肉でも水でも吸収して体内で分解して栄養に出来るようだ。
だから、食事、厳密には消化吸収をしていても、会話が出来る。
俺とミルンさん、メタンさんで食事をしながら、これからの事を話していた。
「たしかに姐さんが見込んだだけはある。こいつぁ、ただもんじゃねえな」
「そうなのですよ。彼は頭もいいし、勇気もある。きっと何かあると思って王に会ってもらおうと思っていまして……」
…
……
二人が何かを話している。
しかし、俺の耳は、もう音を聞いていない。
体の中で何かが「パン」と弾ける音がした。
俺、今、人間の頭を食べている。
ついさっき、仲間の死体である「コア」も食べた。
俺、俺ってニンゲンなのか、スライムなのか。
取り込んだ“人間の頭”と“仲間のコア”が体内でほどけていくにつれ、
意識が妙に冴え渡っていく。
その明晰さとともに、遅れて強烈な嫌悪が押し寄せた。
吐き気――しかし吐けない。吐き方すらわからない。
「おい、どうした?毒か?」
「あなた、どうしましたの?回復なら任せなさい。ベホマ!」
動かなくなった俺を心配する二人。
俺の異変に気付いたイムオが弾かれたように駆け寄り、何度も体当たりしてくる。
続いてホイミスライムがホイミを放ち、
バブルスライムが不安げに身を寄せてきた。
なんだろう、これ。あったかいな。
……ああ、人間だったころ、自分にはこんなふうに
心配してくれる仲間がいたのだろうか。
スライムも、悪くないのかな……
そんな事を思い浮かべながら、俺は意識を手放した。




