王の元へ
メタンと共に王へ報告に向かうが
王の間の前に行くと、例のスライムナイトがいた。
しかし、スライムナイトは無言で道を譲った。
扉が自動で開き、俺を担いだままのメタンは王の前に向かう。
黒い机を挟んだ王の向かいに俺を置いたメタンは、俺の隣にいる。
王の隣には、くさった死体が立っている。
メタルキングの王は相変わらず目を閉じている。
「親分。ただいま戻りました」
ペコリと頭を下げるメタンを見て、俺も同じように頭を下げる。
メタンはすぐに頭を上げて、これまでの経緯を手短に伝えた。
「状況はわかりました」
くさった死体のポチさんが、王に代わってそう返答した。
長いようで短い沈黙。
直後、俺は猛烈な眩暈に襲われた。
なんだ、これ。頭がぐわんぐわんする。
「メタン、席を外せ」
メタルキングのローニはたったそれだけを発した。
「わかりやした親分。サブ、気を強く持て」
メタンはそう言って部屋から出ていった。
「サブ、机の上に乗りなさい」
何か、意識が朦朧としてきた俺は、ポチさんに持ち上げられ机の上に乗せられた。
ポチさんは「今から王が目を開ける」と言う旨の事を言い出した。
王の言葉や目線には、メダパニやラリホーなどの「精神作用」の魔法効果が乗ってしまうようだ。
王と目線を合わせれば、「パルプンテ」のように、何が起こるかわからない。
そして、それを今から俺に「やれ」と言っている。
後で考えると、最悪の事態もあったかもしれないが、既に意識朦朧の俺は抵抗なく机に乗ってローニさんの顔を見た。
目を閉じているローニさんの顔に、吸い込まれそうな感覚がある。
薄っすらと開いた目から、白い光が漏れ出した。
白と思っていたその光は、黄色、赤、青、緑と様々な色に変化している。
俺は、その光の出所をじっと見つめた。
……
……
俺は、俺の意識は黒い画面に吸い込まれた。
そして、俺は真っ黒な穴を通った。
その姿を、見上げて見ている。
スライムの森に進入してくる人間達。
冒険者だけでなく、多くの兵士のような姿も見える。
俺は、その姿を見下ろしている。
人間の街。洞窟。塔。城。
目まぐるしく景色が変わる。
景色はぐるぐると回り始めた。
そこで俺は、意識を手放した。




