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ただのスライムのはずだったのに  作者: ピモラス
人間たちとの戦い
28/29

王の元へ

メタンと共に王へ報告に向かうが

 王の間の前に行くと、例のスライムナイトがいた。

 しかし、スライムナイトは無言で道を譲った。


 扉が自動で開き、俺を担いだままのメタンは王の前に向かう。

 黒い机を挟んだ王の向かいに俺を置いたメタンは、俺の隣にいる。

 王の隣には、くさった死体が立っている。

 メタルキングの王は相変わらず目を閉じている。


「親分。ただいま戻りました」

 ペコリと頭を下げるメタンを見て、俺も同じように頭を下げる。

 メタンはすぐに頭を上げて、これまでの経緯を手短に伝えた。


「状況はわかりました」

 くさった死体のポチさんが、王に代わってそう返答した。


 長いようで短い沈黙。


 直後、俺は猛烈な眩暈に襲われた。

 なんだ、これ。頭がぐわんぐわんする。


「メタン、席を外せ」


 メタルキングのローニはたったそれだけを発した。


「わかりやした親分。サブ、気を強く持て」

 メタンはそう言って部屋から出ていった。


「サブ、机の上に乗りなさい」

 何か、意識が朦朧としてきた俺は、ポチさんに持ち上げられ机の上に乗せられた。


 ポチさんは「今から王が目を開ける」と言う旨の事を言い出した。

 王の言葉や目線には、メダパニやラリホーなどの「精神作用」の魔法効果が乗ってしまうようだ。

 王と目線を合わせれば、「パルプンテ」のように、何が起こるかわからない。

 そして、それを今から俺に「やれ」と言っている。


 後で考えると、最悪の事態もあったかもしれないが、既に意識朦朧の俺は抵抗なく机に乗ってローニさんの顔を見た。

 目を閉じているローニさんの顔に、吸い込まれそうな感覚がある。


 薄っすらと開いた目から、白い光が漏れ出した。

 白と思っていたその光は、黄色、赤、青、緑と様々な色に変化している。

 俺は、その光の出所をじっと見つめた。

 ……



 ……

 俺は、俺の意識は黒い画面に吸い込まれた。

 そして、俺は真っ黒な穴を通った。

 その姿を、見上げて見ている。




 スライムの森に進入してくる人間達。

 冒険者だけでなく、多くの兵士のような姿も見える。

 俺は、その姿を見下ろしている。



 人間の街。洞窟。塔。城。

 目まぐるしく景色が変わる。

 景色はぐるぐると回り始めた。



 そこで俺は、意識を手放した。


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