人間たちを退けたが
強そうな人間たちを撃退できたサブたちだが…
崖での人間との戦闘を終えた俺たちは、その場に留まっていた。
キラーマシンの肩に乗った、あくまのめだまの指示だ。
「…さて、お前達に力を貸したな」
それ以上は何も言わない。
キンッ
突如、金属音が響いた。
俺の隣にいたはずの、メタンさんは消えていた。
残像を残し、キラーマシンに高速の体当たりをしたのだ。
しかし、キラーマシンは右手の剣のはらで受け止めていた。
残像を残し、移動するメタンさんの連撃を、全て剣の腹で受け、着地した所を左手のボウガンで射貫いた。
メタンさんの体を貫通し、地面に縫い付けられていた。
動けなくなったメタンさんは
「ぐっ…」
っと短く声を上げると、すぐにミルンが
「ああ、すぐに回復します。ベホマ」
メタンは回復したが、顔色は優れないように見える。
俺の目では見えないメタンさんの動きを、キラーマシンは確実に捉えていた。
「……それがお前達の答えか。まあ良い」
キラーマシンの足元から、黒いモヤが立ち上る。
みるみる間に、キラーマシンもあくまのめだまも黒いモヤに包まれ、そのモヤが濃くなっていく。
「……くっく。また来る。それまでコイツは預かっておくぞ。わかったな、お前…」
黒いモヤは霧散し、何もそこには残っていなかった。
しかし、最後の「お前」に、あるのかないのかわからない俺の心臓は「ドキリ」とした。
「はあ、なんとか無事に生き延び…」
ドン
メタンは俺に高速で体当たりをしてきた。
痛くない?
メタンは俺の前で、地面に顔を付けている。
「いったい、何してるんですかメタンさん。ミルンさんからも何か言って……」
「すまねえサブ。あっしにはお前を守るので限界だった。姐さんが…連れていかれちまった」
メタンさんは何を言っているんだ?
周りのスライムたちも、無言で俺を見ているが。
姐さん?
俺は、冷静に周囲を見回す。
居ない。
元々、この森にベホマスライムはミルンさんしかいない。
それが、いない。
「嘘だ。さっきまで俺の隣にいたのに……」
俺は、人間を撃退して気が抜けていたのか?
この後、俺はどうすればいいんだ?
とりあえず、スライムたちには森に帰ってもらった。
「また人間が来るかもしれないから、警戒をしておくように」
そう伝えて解散したが、散り散りに立ち去るスライムたちは「きゃっきゃ」していた。
俺とメタンさんだけが、まだ崖にいた。
「ど、どうしよう、メタンさん」
「親分に報告に行く。サブ、お前も来い」
こうして俺はメタンさんに担がれて、王様のいる洞窟へ向かった。




