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ただのスライムのはずだったのに  作者: ピモラス
人間たちとの戦い
23/28

遭遇

人間たちの元へ向かうサブだが

 事前のメタンさんの偵察で、人間達がいる場所には目星をつけていた。


 俺たちのチームもそこを目指して移動している。

 ちゃんとみんなついてくるか心配だったけど、問題なさそうだった。

 たまに「きゃっきゃ」と楽しそうな声も聞こえるが…まあ許容範囲だ。


 そんな俺の前に、突然「あくまのめだま」があらわれた。

「おい、お前」

 俺は木の幹から突如現れた目玉に驚いて、フリーズしてしまった。


「お前、ただのスライムではないな?」

 俺はなんとかフリーズ状態を脱し、頭を働かせた。

 ここで、おかしな事を言ってはダメだ。

 ミルンさんやメタンさんや王様にまで迷惑をかけてしまうかもしれない。

 ならば!


「ピギー!ボクはただのスライムだよ!」

「……」

「……」

 お互い、無言で見つめあう。

 俺の体からは水滴が溢れだしていた。


「下手な嘘をつくな。まあよい。どうだ、我らのちからを貸してやろうか?」

 多分、力を借りてしまえば、彼らの下につくことになってしまうのだろう。

 しかし、このままでは…だけど…


「俺一人では決められません」


 俺がそう答えると、あくまのめだまは目線を逸らして少し傾いた。

 何か考えているのか?


「そうか。では、森を抜けた崖の先で待つ。お前達が前に何かしていた所、と言えばわかるか」

 あくまのめだまは、そう言うとまた、木の中へ潜って消えてしまった。


 どうしよう。

 どうしたらいいんだ?


「サブ、ミルンまってる。いそぐ」

「ああ、イムオ。そうだな。行こう」

 イムオにそう言われ、俺はとにかく人間の元へ急いだ。



 俺が人間達のところについたのは最後だった。

 そこは、何処とも景色の変わらない森の中だ。


 既にミルンさんのチームは到着しており、散り散りに逃げているようだ。

 人間の戦士は、まだ距離があるのに、迫る俺たちの方を見ている。

 他の人間達は周囲を見て警戒しているのか?

 散り散りに逃げるミルンさんたちを追っていない。


 人間たちの足元には、数個のコアが転がっている。

 多分ミルンさんのチームのスライムたちがやられたのだろう。


 コアを見て、一瞬「カッ」となるが、状況が頭を冷やす。

 まずいな、逃げる相手を追わず、冷静にこちらを見て対応できるように待ち構えている。

 スライムだからと侮っていない。


 このまま突撃しても、犠牲を増やすだけだ。

 しかし、膠着しても、事態は好転しないだろう。


 なら…


「みんな。人間たちの間を通り抜けて、向こうに逃げるんだ。仲間が…仲間がやられても、振り向かずに走れ!」


 これで引き付けて、崖までついて来てくれれば…


 人間の足元目掛けて走った。

 ちいさなスライムならば、うまくいけば抜けられるはずだ。


 俺に続くスライムたちも、皆ついてきている。


 先頭の俺は人間の元にたどり着いた。

 人間達の足元を、何事もなく通り過ぎた。


「みんな、がんばれ!ついてこい!」


 俺がそう言ったのと、ほぼ同時に、

「バギマ」

「ベギラマ」

 呪文の詠唱が聞こえた。


「ピギー!」

「ギャー」


 仲間たちの断末魔が、後ろから聞こえる。


「振り向くな!走れ!逃げろ!」


 俺は声の限り叫び、走った。



 走り、走り、走った。

 振り向く。

 ついてきている仲間は、半分もいない。

 人間は、人間達は、一人もついてこない。

 十分に引き付けて、呪文で攻撃したのか?

 俺の指示で、何体の仲間が死んだ?


 俺は…俺は…


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