表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただのスライムのはずだったのに  作者: ピモラス
人間たちとの戦い
21/31

一緒にこい

罠作りは順調のようです。

 落とし穴作りは順調に進んでいた。

 木の蔓を編んで、木と木の間に張った「転ばせる罠」なんかもちょっと作った。


 転んだ人間の顔に張り付けば、倒せることは他のスライムたちも覚えたようだ。

 消化してしまった人間たちの、残った装備や衣服の上に乗って張り付く「サブのまね」ごっこが流行っていた。

「かおにのるのは、ボクだ!」

 とか、スライム同士の謎のケンカも勃発しています。


 喜んでいいのか、恥ずかしいのかわからない、複雑な気持ちで眺めていたが、「やばい時は散り散りに逃げる」練習もしていた。

 ホイミスライムやドラキー、ゴーストの飛行部隊には、スライムたちを抱えて上空に逃げる訓練もしている。



 森の一角で、人間の残した装備品に群れたスライムたちは、一斉に四方八方に逃げる。

 ところどころで「きゃっきゃ」言っている楽しそうな声も聞こえる。


「もうちょっと真剣にやってほしいけど、これだけ素早く動けたら十分かなー」


 そう、これは練習だ。

 なんか意味が違うかもしれないけど、「避難訓練」みたいなものだ。

 キングスライムになったあの日から、少しずつだけど、みんな俺の意志通りの行動をしてくれるようになった。

 言葉に出さなくても、「あっちにいく」とか、「こっちにあつまれ」みたいな、単純なことは出来るようになっていた。


「ぼく、イムオ。サブ、サブ!つぎ、なにしてあそぶ?」

 イムオは楽しそうに俺に体当たりをしてくる。

「イムオ。これは遊んでいるんじゃなくてだな…まあいいか。次はこの前できなかった『二手に分かれる』練習をしよう」

「きゃっきゃ。つぎもサブにかつ」

 うーん…勝ち負けなんて、どこにもないんだけど…今回もダメかも。

 だけど、この練習は無駄にならないはずだ。


 合計百匹ほどいるスライムを、二つのチームに分けて、それぞれ別々の方向に移動した。

 十メートルも進まずに、別行動のはずのスライムたちの、半分以上は俺の後をついてきている。

 移動せずにその場で寝ているスライムもいる。


 ぐぬぬ……


 今度、ミルンさんかメタンさんに別チームの先頭になってもらうか。

 そんな事を考えながら練習を続けていると、メタルスライムが現れた。


「おい、サブ。今回はやべえ。説明するより見た方がはえぇ、一緒に来い」


 俺はメタンさんに担がれた。

 木々の間を風のように移動した。

 あっという間に目的地についたようだ。


 メタンさんに連れてこられたのは、だいぶ前に倒した人間の「僧侶」と「魔法使い」の所だった。

「これ以上近付くのは危険だな。ちょっと遠いが見えるか?あの人間どもをよ」


 かなり遠いし、森の中の木々が多くて見通しも悪い。

 だけど、見えた。


 人間は四人。

 全身を金属鎧で包んだ戦士。

 軽装だが、爪武器を腰から下げた武道家。

 鎖帷子を着て、金属メイスを持った、僧侶。

 ヒラヒラした服、先端に青い水晶のついた杖を持つ魔法使い。


「サブよぉ、あいつら相手になんとかできるか?」


 体の表面を水滴が伝う。

 なんで、あんなやつらが来るんだ?


「あんな魔王と戦いに行くような人間は無理だ……」


 四人の人間は、前に倒した人間たちの装備や衣服を調べているのか?

 立ったりしゃがんだり、何かを拾ったりしている。

 そのうちの一人、武道家がこちらを見て、指さした。


「え?見つかった?」

「やべえ、逃げるぞ」


 俺はメタンさんに担がれて、その場を立ち去った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ