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ただのスライムのはずだったのに  作者: ピモラス
人間たちとの戦い
16/28

駆け出しパーティ 前編

酒場で依頼を受けた、若い三人組のお話。

 俺はトム。

 村の仲間である、ガジとライムと一緒に、この街の「ミリンダの酒場」を訪れて冒険者になった。


 元々俺たち三人が生まれ育った「ヤサタマ村」は、農業と狩猟で生活を立てている田舎村だった。

 体も大きく、力も強い農家の息子のガジ。

 魔法の素質があったが、それを活かす場所の無かったライム。

 そして、狩人の息子の俺、トムは年齢も近く、よく遊んでいた。


 ヤサタマ村は、悪い村ではなかった。

 周囲にはほとんどモンスターも出ないし、村人全員が毎日三食を食べることができる、貧しくない村だった。


 しかし、毎日が退屈だった。


 俺は親父と一緒に、この街へ獣の皮を卸に来たことがあった。

 街は酒場や宿屋もあって、人も多く華やかだった。


 街から村へ帰る時に、スライムが現れた。

 スライムは、子供の俺に体当たりをしてきた。

 転んだ俺の前で、親父は一瞬でそのスライムを倒していた。

 かっこいいと思った。


 教会で読み書きを学んでいるライムの元へ行き、その話をした。

 すると神父様が

「昔はこの辺りにもモンスターが出た。その時は街に冒険者を雇いに行ったりした」

 と言った。

 俺は神父様に、冒険者について質問しまくった。

 そして、冒険者になろうと決めた。


 それから数年経って、俺はガジとライムを誘って村を出た。

 ミリンダの酒場で冒険者登録をすると、俺は「盗賊」になった。

 ガジは戦士、ライムは魔法使い。

 予想通りだった。


 三人ではじめてスライムを倒した時は、苦労した。

 装備とか作戦なんて知らない俺たちは、三人でひのきの棒を振り回してスライムを叩いていた。

「たった一匹のスライム」相手に、何回もひのきの棒を叩きつけ、かわされて反撃された。

 ライムの魔法「メラ」が当たり、なんとか倒せた。


 そこから単独のスライムを狙い、試行錯誤をしていた。

 ガジがライムを守り、俺がけん制して、ライムのメラを当てる。

 そうして、なんとかスライムを倒せるようになっていった。

 しかし、ライムは一日に五回しかメラを使えなかった。


 マジックポイントを回復する「まほうの聖水」が道具屋に売っていた。

 ひとつ百二十ゴールド。

 スライム一匹を倒して得られるコアを売ると、一ゴールド。

 一日に倒せるスライムは、五匹か六匹程度。

 とてもじゃないが、そんな高価な物は買えなかった。


 毎日、平原でスライムを狩りまくり、全員分の「皮の服」を買った。

 そして、ガジには「たけざお」を買い、俺は「くだものナイフ」を装備した。

「私は魔法で攻撃するから、武器は最後でいい」

 と言うライムの武器は未だに「ひのきの棒」だ。


 そうだ、俺たちは駆け出しの貧乏冒険者だ。

 五十ゴールドは欲しかった。

 それに、八ゴールドの薬草も貰えた。

 ドラキーやゴーストも平原で倒したことがある。



 依頼を受けると言った時、マスターが

「油断しないでしっかり準備をしていけ。装備を磨いて体を休めてな。夜は魔物が強くなる。必ず朝に出発するんだ。日が沈むまでに戻れ。危なかったら絶対に逃げて引き返すんだぞ」

 そうアドバイスをくれた。


 装備を新調するお金なんてない。

 だけど、武器を磨き、薬草と毒消し草を買って、食事を取って寝た。

 依頼を受けた三日後の朝に出発した。


 この時は、なんとかなると思っていた。

 最悪、街まで逃げ帰ればいいと……

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