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ただのスライムのはずだったのに  作者: ピモラス
人間たちとの戦い
15/29

街の酒場

今回も人間視点です。

ちょっとの間、スライムのサブは出てこないかも?

「で、後衛の二人を捨て置いて、前衛の戦士のアンタ一人で逃げてきたのか?」

「たかがスライム相手に?スライムなんて、ただの水ぶくれだろ」

「はっはっは、こりゃ傑作だ。おい、クランク。つくならもうちょいマシな嘘つけよ」

「お前、武器も盾も捨ててきたのか?大赤字じゃないか!」

「おい、ウチの猫がこの前スライム倒してたぞ?」


 酒場の誰も、俺の話を信じない。

 途方にくれていた俺は、マスターに呼ばれた。


 カウンターに座った俺に、マスターは言った。

「クランク、依頼を出すかい?その場所まで案内はできるか?」

 俺の返事を待たずに、周りの酔っぱらいどもが湧き立つ。


「おいマスター!こいつの話を信じるのか?」

「前の勇者が魔王の所に行ってから、魔物が街を攻めてこなくなった。しかし、強い魔物はどこかに潜んでいるって噂もあるしな」

「ああ、依頼はいくらだ?金額によっては受けてやるよ」

「森の中は、そんなにたくさんのスライムがいるのか。小遣い稼ぎに行ってみようかな」

「おい、クランク!なかなか盛り上がる話で酒がうまいぜ」


 俺は行かない!あんな恐ろしい所には、もう二度と行きたくない!




 クランクが酒場に戻った三日後、掲示板には酒場からの依頼が張り出された。



『”スライム森のモンスター調査”


 報酬 

 五十ゴールド (結果次第で上乗せ有)


 依頼内容 

 スライム森の生息モンスターを複数種討伐し、そのコアを酒場に提出する事


 その他条件

 三~四人のパーティ推奨

 スライム・ドラキー・ゴースト程度のモンスター討伐経験者』



 張り出された依頼書を見ながら、酔っぱらいどもが騒ぎ出す。

「安いなー」

「駆け出し向けか?」

「おお?お前ら、行って来いよ!薬草一個やるから」


 一人の酔客のその声に、視線が一つのテーブルに集まる。

 若い三人組のパーティが座している。


 別の酔っぱらいが指をぱちりと鳴らし

「ああ、そいつはいいや。おまえら、草原のスライムばっかり狩ってるしな」

 そう言って笑い出した。


 三人組の彼らはお互いの顔を見合わせた。

「どうしようか」

 と魔法使いのライムが問うと、戦士のガジが

「五十ゴールドあれば、もうちょっとマシな装備が買えるかな?」

 と手に持つ“たけざお”を眺める。

 盗賊のトムは少し考えてから席を立ち、一人の酔っぱらいの前に立った。

「おい、あんた。本当に薬草くれるのか?」

「おお?やるのか?ほら、持っていけ!」

 酔っぱらいは、腰の袋をトムに突きつけた。


「帰ったら、面白い話を聞かせてくれよ!クランクよりもな!」


 こうして、彼らはスライムの森に向かう事になった。

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