Ⅳ◆困惑と出会い
一日3話はやっぱり飛ばしすぎかしら?
誤字、脱字などなどありましたら、どうぞご連絡をッ!!
感想もできましたら…
お願いします!!
******
わたしは、それはもうジェットコースターが嫌い。フリーフォールなんて自殺の練習の間違いじゃないのかって。
…つまり、何が言いたいのかというと
「ぎゃあああ!!!しんじゃうぅぅッッッ!!!」
私は現在、あの場でばっさり殺された方がよっぽど楽だったのではないかというほどの恐怖を味わっているわけですよ。
確かに地上一階にいたはずなのに、穴から落ちたさきは雲より高い上空で、かれこれ3分近く落ち続けている。
やっぱりあの化け猫、始めから殺すつもりだったのか!
パラシュートなど付けているはずのない私は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら、それでもなんとか落ちる速度を少しでも下げようと必死に四肢を広げている。
まぁ、意味ないのは分かってるけど。ぐすん
気が高ぶっているせいか、こんなに恐いのに気絶することも出来きずに、落下の恐怖を最期まで味わなくてはならないようだ。
空気に圧迫されてまともに息をすることもままならない。
目なんてとてもとても。
かろうじて少しずつ緑の大地が近づいているのがわかる程度。
やばい、ホントに死ぬ。
今までお世話になった人達の顔を思い浮かべて、心のなかで恩返しが出来なかったことを謝っておく。
オフィスの皆には、これまでで最悪の印象を残して消えることになるのね…
死んだら、元の世界に帰れるのかな。
そしたら、こんどこそ人様の役に立てる人間になりたいなぁ。
その前にあの化け猫に復讐をば……
軽く現実逃避してる間に、落下速度が急激に上がっていくのを前進で感じた。
もう地上はすぐそばだ。
どうやら、森に落下するようだ。鬱蒼としていてなんだか嫌な気を放っているのがこの状態でも分かる。
人を巻き込まなくてすみそうなのは安心だけれど。
死んだあとの自分の身体がどうなるのか考えて、絶望が深まった。
空気を切るのとは違う音を聞き、私はせめて顔だけでも守ろうと身体を反転させ、頭を覆うようにして身体を丸めた。
もし、人が見つけたら、情けで土に埋めるくらいはしてくれるかもしれない。
轟音と共に、空気の圧迫が無くなったのを確かに感じた。
******
パラパラと何かが落ちる音が聞こえる。
緊張しきった身体を緩めて、顔をあげると、暖かな光が降り注ぎ、ほぅと息をはいた。
全身がけだるいが、どうやら天国には行けたらしい。
そのうち本物の神様なり天使が来てくれるだろう。
しばらくはこのまま、恐怖から解放された喜びを味わっていよう。
……あ、来たようだ。ザッザッと近づいてくる音がする。
空飛んでくるわけじゃないんだ、よかった。
もう空中遊泳は勘弁してもらいたいもの。
と、目の前が急に暗くなる。まばゆい光を見ていたせたいで、視界が霞んでよく見えないが、誰かが顔を覗き込んでいるようだ。
「おい、聞こえるか」
若い男の人の声。
ネロとパトラッシュを連れていった可愛いらしい天使ではないのね。
返事をしなければと口を開きかけた時、眼前の彼とは違う声が、やや後方から聞こえてきた。
「よかった、息はしているようだね。」
…息してる?
何言ってるんだろう。
私はその言葉に不審感を抱きつつ、そっと上半身を持ち上げた。
すぐ側の彼が支えてくれているので、たいして苦ではない。
そして、ゆっくりと視線を周囲に向け……え?
なんで??
目前に広がるのは白い雲でも、神殿の一室でもなくて、樹海のような怪しい森だった。
そしてなぜか、この周辺だけが木々の薙ぎ倒された空き地になっていて、陽の光が差し込んでいる。
「いきてる…?」
何で死んでないの?いや、よかったけどさ…いやいやッ!おかしいだろう!普通死ぬでしょう!!生きてちゃ変だろう!!!
頭を抱えて悶絶する私。
ふと、背中に当たる温かい掌を思い出し、ばっと顔をあげた。
彼はぎょっとしたようだが、構わず私は今1番聞きたいことを口にした。
「私は生きているんでしょうかッッ!」
すると、さっきの不審発言をした彼が答えた。
「くははッ!今見えるものが真実なら、間違いなく君は生きているよ。でもまぁ、僕もさっきの出来事は夢だったんじゃないかって気さえするんだけれど。」
はて?さっき??
「…で、実際のところ、どうなんでしょう?」
「お前は生きている。俺達も、お前のおかげで。」
………なんですと?!
やっと、異世界きましたよ!
主人公のキャラが定まっていない……
まあ、今は混乱中だから。困惑シリーズだから。
あ。名前も出てない。