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プラチナ  作者: トッコ
5/9

Ⅴ◆困惑と生還(改)

時間かかるね、文章書くのって!!


読んでくれてる皆さん!ありがとうございます!!


誤字、脱字、感想ございましたらご連絡をお願いします!!!

***


暗い暗い樹海の森の、恐らく唯一日の当たっているであろうその場所で、混乱を極めていた私だか、ともかく今は、落ち着け気を沈めろ、と自分に言い聞かせ、頭の中を整理することに全力を注ぐことにした。



「ホントに生きてるの?あの速度で落ちて?……あれ、ここ……怪我してないし…でも天使がい…って、ええぇッ!!大丈夫ですかッ!?」



自分の現状把握もままならず、今までそばにいる二人にさして注意をはらっていなかったから気がつかなかったけど、この二人、体中傷だらけだ。


すぐそばで片膝をつき、ずっと背中を支えてくれている黒髪の彼は、近すぎてよく見えないが、顔や肩に刃物で斬られたような傷があり、そこから血がにじんでいるし。

左やや後ろから覗き込むようにしてる金髪の彼も、立ってはいるけれど身体のあちこちに傷があり、髪は…血だろうか。濡れていて、結わいて右肩に流している部分が黒く染まっている。


見るからに重傷だ。

空から落ちた私よりも。


二人の状態を認識したとたん、生きているという実感が湧いてきた。天使がこんな傷だらけだらけでボロボロな訳ない。彼らは間違いなく生きた人間だ。


とはいえ、自分が生きているということへの安堵よりも、目の前の二人の怪我をどうにかしなければという思いが思考を支配して、とにかく怪我を確認しようと、思わず、隣の彼の右頬に触れた。


彼は一瞬ぴくっと肩を震わせたが、すぐに目を細め、頬にある私の手を包み込むように握った。


「ッ?!」


その動作に、なんだか危険なかおりを察知した私は、とりあえず手を離そうと自分のもとへ引っ込めた。



なに、その不満そうな顔は。



とりあえず彼との接触は控えることにして、怪我の具合を詳しく見ようと立ち上がった。



ちょっとふらふらするけど、一人で立てたし、身体は無事のようだ。…こればっかりは信じられないが。ここに超巨大クッションでもあったらまだ分かるけど、裸足で感じる地面は細かい砂で、私のいる辺りを中心に若干くぼんでいる。



まだ片膝で座る彼を観察しようと身体をむける。


すると、後ろの金髪さんがさらに近づいてきた。2、3歩だが、ふらつきも見られない。怪我は見た目ほど大事ないようで一先ず安心した。



金髪さんは黒髪さんの方へ手をのばすが、彼はその手を避けると自分の足ですくっと立ち上がった。

肩から胸にかけての傷が酷い。さすがにこちらは立ったからといって安心出来ない。



直ぐさま応急処置をしなければと思い、再び手をのばすと、黒髪さんにがしっと手首を掴まれた。


……しまったっ!うかつだったぜ(どしたの?)



「離してください。こんなとこだけれど、とにかく応急処置だけでもしないと」

「…」

「ちょっと…」


一生懸命引っ張るのだけれど、がっちり掴んだ手はびくともしない。


無表情で見つめてくる深海のような碧の瞳があまりに綺麗で思わず息を飲んだ。



「そのくらいにしておきなよ。初対面でそんなことしたらよけい怯えられちゃうでしょ?」


この場には少し不釣り合いなほど明るい調子で、金髪さんが彼を咎める。


その言葉に、黒髪さんは渋々といったふうに手を離した。


私は、別に痛くもない手首を何度もさすった。



「この度は、危ないところを助けて頂き、感謝します。私はフィルメス・ウ゛ァン・カーノイト。貴女のお名前を教えていただけますか。」


「あっ、えと、雪です。君沢雪。」


フィルメスは、先ほどとは打って変わり、お腹の辺りに片拳をつけて礼をした。いかにも外国人といった(実際には異世界人!)風貌の彼に、その姿勢はとてもよく似合っていて、感心した私は吃りながらも、なんとか笑顔らしきものを浮かべて答えた。




「ユキ」


早速名前を呼んできた黒髪さんに視線を移した。


「ジークだ。」

素っ気なくそれだけ言うと、私のぼさぼさになってしまっているであろう髪をひと房持ち上げ、そこにキスをした。


頭一つ分以上高い彼が軽く屈んで、あの瞳を向けたままそんなことをするものだから、動揺して逃れようと彼の胸を押してしまった。


「っあ…」

乾ききっていない血を左の手の平に感じ、自分のしたことに青ざめる。


しかし、当の本人は痛みに呻く訳でもなく平然と、再び私の髪に触れようと手をのばしてくる。



なんともなかった様子に安心しつつも、後ずさって、その手から逃れる。



「…」

「…」


無言の攻防を続けていると、フィルメスが再び口を開いた。


「ユキ、貴女はどうしてこんなところに?先ほどの様子を見るかぎり、我々を助けにきたという訳でもなさそうですし。ユキという名も珍しい。何処の国の術師でしょうか?」


「術師?私はそんなものではありません。…実は、私自身、どうしてここにいるのか全く分からないんです。」



なんのために来たのかはは一応聞いたが、始めから殺すつもりだったとすれば、あの説明の内容などの多くは無意味だ。


「どういうことでしょうか。」

「あ、敬語なんてやめてください。……えっとですね、信じてもらえないとはとは思うんですけど…突然上空に(・)落とされて、死を覚悟したのですが、このとおり。なぜ、生きているのかもさっぱり理解できてないんです。」


私の言葉を聞くと、フィルメスは顎に指をあてて黙り込んでしまった。



どうでもいいけど……ジークさん、いい加減離して。



てか、離れてよ…



「お、お二人こそ、何故、そんな大怪我を?それにさっきから、私が助けたとかなんとか…」


「あぁ、私たち…いや、僕たちはこの森に住まう魔物を討伐しに来ていたんだ。だけれど、その魔物が報告されていた情報よりも数段力が強くてね。もう少しで逆にやられてしまうというところに、君が空から降ってきて、瞬殺してくれたというわけさ。あんなの始めて見たよ。一体どんな魔法を使ったんだい?」


「魔法……ほんとに、なんでこうなったのか、私には…」

異世界らしいワード。とんでもないところに落としてくれたな。化け猫。



「そこからか…ホントになにも分からないのかい?」

「はい…」




それ以上何も言えなくて俯くと、砂にまみれた自分の足が見えた。


空から落ちてきて、魔物を一瞬で倒した身元不明の私…怪し過ぎる。



裂かれていてボロボロだけど、彼らの着ている服は軍服のように見える。フィルメスの先ほどの礼をみても、いくら異世界とはいえ一般人の所作とは思えない。

このままでは、いくら命を助けたとはいえ(そんな自覚はないが)、捕えられてしまうという可能性も…



「ぅわッ」


悲観的だが現実味のある想像に青くなっていると、突然、ジークが私の肩を抱いて引き寄せた。


「こいつは城に連れて帰る。」


「へっ?城?」


「ああ、僕たちはカルディナ王国の騎士なんだ。

彼は一度決めたら何を言っても聞く耳持たないんだ。困っちゃうよね。

でもまぁ、いいか。

ねぇユキ。君は僕たちの恩人だ。

お礼がしたいから一緒に城までいってくれるかい。」


頭をよぎった最悪なシナリオ通りにはならなかったが、フィルメスの否を許さない問いと笑みに、いやーな予感がした。



私が答えられずにいると、ジークが肩に置いた腕を下ろして私の手を掴むと、スタスタと暗い森に向かって歩き出した。


「いつまでもここにいはいられない。この森には他にも魔物がいる」

「ちょっ…ッい」

軽く引きずられるようにして歩き出したが、いかんせん私は裸足だ。凹みの中心はそうでもなかったけれど、周囲には鋭利な小石や木片が至る所に落ちていて、どうやら踏んでしまったようだ。


私の声に振り返ったジークは、何を思ったか、私の膝のうらに手をまわすと、そのまま私を持ち上げた。

お姫様抱っこというやつだ。


「ちょぉ…やだ、怪我!!降ろしてください!」

「…」

ジークは私の身体が密着しないように隙間を開けて、器用に抱っこしている。

この怪我人の何処にそんな力が残っているのか。


彼を止めてもらおうと後ろを振り向くが、フィルメスはやれやれと肩を竦めると、黙ってついてくる。


私は、そんな彼に恨めしげな視線を送ったあと、これ以上負担をかけないように、そっとジークの首に腕を回した。






***

森に入ると、光が途絶え、様々な生き物の鳴き声が聞こえてきた。


魔物、いるなぁ……

ふいにそう思った。


ほんの少し、腕に力を込めると、それに気付いたジークが頭のてっぺんに唇を寄せる。

……もう降ろして。



180㎝はあるだろう彼に抱えられているので、普段よりも目線は上なはずなのだけれど、緑に染められた樹海のようなここでは、あまり実感できない。


しばらく行くと、ジャカジャカと金属が擦れるような音が重なるように聞こえてきた。近づいてきているようだ。


魔物だろうかと一瞬思ったが、ジークもフィルメスも動かない。はて。



木々の隙間からちらほら見えてきたのは、鎧姿をした者や剣を手に持った者…人間だ。


「「「隊長−−ッ!!」」」「「「副隊長−−ッ!!」」」


皆、叫びながらこちらに向かってくる。


この二人、やっぱり偉かったのか。


「隊長、ご無事でしたか。」

「副隊長もご無事でなによりです。」


ジークはああとかなんとか素っ気ない返事をしていたけれど、フィルメスは目的の魔物のことなど、詳しく集まってきた隊員達と報告しあっている。


どうやら、手分けして魔物の探索をしていたところ、爆発音とともに閃光が見えたので、急いで向かってきたらしい。


「隊長、その娘は」


びくっ!

なるべく小さくなって、気配を消そうと努力していたけれど、やっぱりダメか……だよね


この体勢、恥ずかしくていたたまれない。



「その子は、僕らの命の恩人なんだ。一緒に城へ連れて帰るからそのつもりで。」



皆、よくわからないといった風に怪訝そうに私を見たが、ジークが再び歩き出したので、それ以上の追究はなく、隊員達も、ジークとフィルメスを囲うようにして歩き出した。



20分程して、ようやく森を抜けると、そこには残りの隊員と十数頭の馬、それと2台の幌馬車が待っていた。


皆、それなりに疲弊し怪我も負っていたが、やはり、目的の魔物と戦った二人が飛び抜けて重傷に見えた。



幌から包帯等をとってきた隊員のひとりがジークに駆け寄ってくるが、ジークはそれを拒絶した。

そして居並ぶ馬の中でも一際毛並みの美しい黒馬に近づき、私をひょいとその馬に跨がらせると、自身も身軽で無駄のない動作で後ろに跨がり、私の腰にきゅっと腕を回した。


「このまま、すぐに城へ帰還する。」


一言そういうと、馬の手綱を引き、森に背をむけた。


各々、怪我の手当をしようとしていた隊員達は、呆然とその姿を見ていたが、次の瞬間には弾けるように馬に駆け寄ると、隊長の背中を追った。



副隊長たるフィルメスも苦笑をひとつもらすと、怪我をしているとは思えない動作で馬に飛び乗るり、ジークに追い付かんと馬を走らせた。

やっと、名前出せたよ。


なんだか、始め考えてたあらすじと違ってきちゃった?!



あらすじのほうを訂正させて下さい。


ブレブレの作者ですみません!!

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