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プラチナ  作者: トッコ
6/9

Ⅵ◆馬上にて

2か月以上空いてしまいました(汗)

待ってくれていた方、申し訳ありませんっ

内容はほとんど前進していませんが、投稿します。

相変わらずの稚拙文ですが、よろしくお願いします。

******

景色が飛ぶように移り変わっていく。

あれよあれよという間に馬に乗せられ、気がつけば、さっき落ちた森はもう豆粒のように小さくなっていた。


後ろでがっちり私のお腹に手を回している彼のせいで、たいして見えるわけでもないけれど、何となく不安になって繰り返し後ろを振り返ってしまう。


「あまり乗り出すな。」


そう言って、さらに腕に力を込める彼。

ジークと言ったっけ。


ほんの1時間程前にあったばかりだが、なんというか…近い。


私を馬まで運ぶ時は、極力自身の傷口に触れないように気を使っていたように思うのだが、今は、彼のお腹と私の背中はぴったりとくっついている。


離れようと、ちょっともがいてみるものの、傷口に障ったらと思うと、結局彼にされるがままになってしまう。


顔色もいいし、何より二人乗りでここまでの速度を出して馬を走らせすことが出来るのだから、なんてタフな人なんだろうと感心する一方、ここはやっぱり無理やりにでも馬を止めさせて処置を受けさせた方がいいのではないかと思い悩んでしまう。


もし彼が突然失血なんかで倒れたら、助けるどころか操縦出来ない私も落馬することになるのだが、そこのところ分かってるのだろうか。



…ところで、あんなに出血するほどの大怪我を負うなんて、魔物ってやつはどんだけ凶暴な生物なんだろう。

その魔物を木っ端みじんにしてしまうほどの衝撃で落下して生きている私は、もっと何なんだろう。



む−、このまま城とやらに連れていかれてしまって果たしていいものか…


お礼をしたいと言っていたし、不審人物として即刻牢屋にぶち込まれることはないと信じているが、なんと言ってもワタクシ、何質問されてもまともに答えることが出来ないのだ。


あの化け猫が本当に神様(えー)だったとしても、その話を信じてもらうとかいう以前に、私自身がほとんど理解できていないのだからもうどうしようもない。


化け猫との一件が私の妄想でも夢でもないとすると、アパートの一階から一転、上空に飛ばされて、地面に激突したのに生きてるという点では、化け猫になんらかの超能力的な何かがあることは認めざるおえない。


だからって、今おかれている状況を化け猫とフィルメスから聞いたそのまんま受け入れてしまえるほど、私の頭は柔らかく出来ちゃいない。


お城があって、騎士がいて、魔法に魔物まで存在するって?

あんまりびっくりな急展開で気付かなかったが、まだ完全にここが異世界だと言い切れるものを見ていないのだ。


思考が柔らかければ納得できるのかと言われればそれも違うと思うが、とにかく、ここが異世界かどうかは置いといて、彼らの私への不審感が敵意に変わらないように、慎重かつ早急に情報を集めなければ。


その上で、自分の身の振り方を考えなければならない。


*****


後方から、馬が駆けてくる音が聞こえてきた。


思考をいったん中止して後ろを振り返ると、フィルメスが乗るこれまた黒毛の美しい馬を先頭に、森の外で見た十数頭の馬がこちらに向かってきていた。

 

私が見ていることに気付いたフィルメスが大きく手を振ってくる。


なかなかのスピードを出しているにもかかわらず、その動作にまったく危なげな様子はない。


金髪の彼が馬に乗っている姿というのは、怪我をして血や土で汚れているとはいえたいへん様になっていて、王子様を連想させる。


今の状況でのこういったもの(ファンタジー関連)は、まったく洒落にならなくて、思わず顔が引きつるが、親しげな態度はうれしいので、私も出来る限り手を伸ばしてそれに応えた。


追いついてきた隊員たちは、入れ替わり立ち替わりジークの乗る馬の少し前方へ出て、こちらをうかがうような視線を向けてくる。


その度に、さぁっと顔色を変えて後方へ戻っていった。はて。


しばらくすると、ジークを先頭にした隊列が整い、規則正しく蹄が地面を蹴る音が響く。



いつの間にか、あの不気味な森はまったく見えなくなっていた。

そのことになぜか言い知れない不安を感じ、それと同時に腕にまわされたジークの腕と背中に感じる熱に安堵して、一時私は瞼を閉じた。




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